Michigan Driver's License書き換えだけで済んだらいいのに。

いくつかの大都市以外のアメリカでの生活に欠かせないのが自動車ですが、その自動車の運転にはもちろん免許証が必要です。一年以内の滞在であれば日本の運転免許と国際免許証があれば大丈夫ですが、それ以上になると現地の免許を取得しなければなりません。ヨーロッパでは多くの国で書類だけで日本の免許から現地の免許への書き換えが可能で、しかもそれが無期限のものだったりするので非常に簡単かつ便利なのですが、アメリカではしっかり試験を受けなければならず、有効期限もビザの有効期限に合わせられてしまったりするので、何かと不便です。しかしこれも免許証が写真入りの身分証明として使えるという便利さとの引き換えなので仕方ないかもしれません。

さて、アメリカという国は、と「国」というより州と呼ばれる国の集まりと言った方がいいほど各州の自治権の範囲が広く、道路法規もそれぞれ微妙な違いがあれば、免許もそれぞれの州が発行しています。法規の違いは、例えば子供は絶対的に保護しなければいけないアメリカではスクールバスが乗り降りのために停車している時は周囲の車も停車して待たなければいけないのですが、ある州では対向車線の車は止まる必要がなく、しかしミシガン州では中央分離帯が無い限り何車線ある道路でも対向車も止まらなければなりません。こういう違いがあるので免許は州単位というわけです。もちろん、他の州の免許証でも運転は許されていますし、住居を移さない限り免許はそのままで大丈夫だと思います。

免許の取得にはまずSecretary of Stateに身分証明の書類を添えて申し込みます。すると筆記試験を受けることになるのですが、テスト用紙を渡されて本当に事務所の片隅で時間制限もなく解答し、またそれを持って窓口に行くとその場で採点、という日本の免許の試験とは比べ物にならないゆるさです。またこの問題は黙っているともちろん英語のものを渡されるのですが、日本語のものも用意されていて頼むとそれをくれます。噂によると日本語の問題は1パターンしかないのでどこからか出回っている過去問と全く同じ問題が出る、ということだったのですが、日本語で受けた妻によると見たことのない問題が出たということなのでこれはデマだったのかもしれません。

筆記試験に合格すると仮免許が交付され、自分で練習して30日以上経ったら実技試験を受けるということなのですが、この時日本の免許証の公的な英訳があるとすぐに試験を受けることができます。実技試験は専門の試験官に自分で予約して試験をしてもらい、合格証を再度窓口に提出するという形です。実技試験は路上に出る前に定型の縦列と横列の駐車試験があり、その後高速道路を含むコースを言われるままに走ってくるというだけのもので、ものの20分ほどで終わってしまいます。相手が日本人だからなのか試験官も相当いい加減ですが、そんな試験でも日本人の奥様の間では落ちる人が珍しくないようです。まあそれも試験官によるのでしょうが。

ということで最後は合格証を窓口に持っていくと、今度はその場で写真を撮られ、2週間ほどで自宅に免許証が郵送されてきてメデタシメデタシということになります。発行までは時間がかかることになりますが、その場で何十分も待たされたりするよりは合理的なのかもしれませんね。私も免許証が入手できるまではクレジットカードを使ってIDの提示を求められた時にいちいちパスポートを見せなければならなかったり、なによりパスポートを持ち歩かなければいけないということ自体が落ち着かなかったのですが、免許証を手にしてようやく生活が安定したような実感が湧いて落ち着きました。実は今日妻がようやく実技試験を受けて合格したので、遅ればせながらこうして記事にしてみたのでした。