GateKeeper図らずも40年の進化を実体験。

先日、小さい頃から日頃なかなか自分の希望を言わない長男が珍しく「Cedar Pointに行きたい。」と言ってきました。Cedar Pointというのはオハイオ州にある遊園地で、昨年7月にも行ったところですが、ローラーコースターが充実していて「ローラーコースターの聖地」とも言われるところです。今年はさらに新しいライド”GateKeeper“が追加されたということで、絶叫マシン好きの長男はそれを体験したいというわけです。しかし、妻と次男は乗れないので一緒に行っても別行動になってしまい面白くありません。ということで私と二人で行こうかとも言っていたのですが、それならば友達も一緒に連れて行ってあげようと提案し、今回都合の良かった友達のS君を連れて、3人で行くことにしました。

日本では遊園地も年中通して営業しているのが当たり前だと思いますが、アメリカ北部では冬の冷え込みと積雪があり、仮に営業したとしても閑散とするのは目に見えているためか、基本的に夏季のみの営業です。Cedar Pointでも毎日営業しているのは5月半ば頃から8月終わりまで、9月10月は週末3日のみの営業となっています。もう10月になると結構寒くなるので、早いうちにということで先週末の日曜日に行ってきたのでした。

開園時刻の正午数分前に到着したのですが、なかなか融通の効く対応をしているらしく、その時には既にゲートは開いていてライドからは歓声が聞こえてくる状態でした。しかし時間はたっぷりあるので慌てるでもなく、まず最初に向かったのはやはりGateKeeperです。今年出来たところで人気があるだろうしということで一時間待ちは覚悟していたのですが、実際には15分程度の待ち時間で済んでしまいました。しかもこれは開演直後のことで、その後はさらに空いてタイミングによっては待ち時間ゼロで乗ることができるような状態でした。

ところが、乗ってみるとこれが予想以上に気持ちのいいライドでした。分類としてはウィングコースターと呼ばれるタイプのもので、昨年Six Flags Great Americaに行った際に乗ったX Flightと同じく、レールを挟んで左右に座席が付いているものですが、このGateKeeperはウィングコースターとして最長の1269m、最高速の108km/h、落下高度差最大の50m、反転回数最多の14回と数々の記録を作っているだけに、X Flightとは比べ物にならない爽快感を得ることができました。最新のライドだけあって乗り心地もよく、2分40秒と走行時間もたっぷりあるので乗り応えも十分です。

実はCedar Pointは業界専門紙Amusement Todayが選ぶGolden Ticket Awardsという賞の開始から16年連続でBest Amusement Parkの栄冠を手にし続けている、文字通り全米最高の遊園地なのです。そして、Best Steel Roller CoasterとしてはこのCedar PointのMillennium Forceが過去4年連続1位、そして登場以来14年間すべて2位以内に入っているのです。これは凄いことです。

そのMillennium Forceにも改めて乗ってみましたが、2010mという長さ、最高150km/hというスピード、そして91mというドロップはなかなかのもので、これが1位と聞いて「なるほどなあ」と納得できるものではないかと思います。また前回のお目当てだったTop Thrill Dragsterは怖がるS君を入口の前で10分近くかけて説き伏せ乗りましたが、当のS君も一度乗ってみると気持良かったらしく、「もう一度乗ろう」というくらいだったので良かったです。

あまり期待していなかったのに非常に良かったのはMaverickという通常タイプのコースターでした。当日はMillenium ForceやTop Thrill Dragsterなどでも最長15分ほどしか待たなかったのに、なぜかこのライドだけは長い列ができていて30分以上並びました。見た目は地味なのでちょっと不思議だったのですが、並んでいる時に気付いたのは走行音が非常に静かなことで、これはただ者ではないかもしれないと予感、見事にそれは的中しました。乗ってみると左右へのひねりが多く、コースの見た目以上に複雑な動きをします。そしてトンネルに入って減速し、そのまま終わるのかと思わせつつそこから急加速して後半へ突入するという、非常にダイナミックなライドだったのです。これはトップレベルの楽しさでした。

一方、Top Thrill Dragsterに乗ろうとしていってみたら休止中だった時、たまたま入口が近かったのでCorkscrewにも乗ってみました。コークスクリューといえば私が子供の頃からとしまえんにもあった懐かしのライドですが、Cedar Pointのこれは1976年に登場したもので、豊島園のものとも兄弟機のようです。今から40年近くも前のライドは一体どうだったかというと…あまりの乗り心地の悪さに驚きました。そもそもショルダーサポートが低く肩に当たるのが痛く、私ですらこれなのに体の大きな白人が乗れるのでしょうか。まあ登場当時はこれでも凄かったのですから、これはこれでビンテージコースターとして残っていてもいいとは思いますが。

それはともかく、一日でこれでもかというほどローラーコースターにひたすら乗りまくり、長男もS君もとても楽しんでくれたようなので良かったです。もちろん私も大変楽しめましたが、ただ心残りなのはCedar Pointの5大コースターのうちMagnum XL-200にはまだ乗れていないということです。これだけはS君もダメ、ということで無理強いはしなかったのですが、これに乗って5大コースターを図柄にしたTシャツを買って帰りたい、というのが目下の目標です。まあこれはぜひ来年…