Grand Circle旅の始まり。

政治、軍事、経済、その他各分野での日本との結びつきは他のどの国よりも強いと思われるアメリカですが、ハワイやグアムを別とすると観光を目的としてアメリカを訪れる人はあまり多くないようで、観光ガイドブックについてもヨーロッパやアジア各国の充実ぶりとは大きな開きがあります。実際にはアメリカにも観光名所はたくさんあるのですが、問題なのは一つ一つが離れてしまっていることでしょう。

しかしその中でも「グランドサークル」と呼ばれる、パウエル湖を中心にした半径230kmの円内には12の国立公園をはじめ、州立公園やネイティブアメリカンによるアトラクションが数多く存在し、最もアメリカらしい旅行の目的地の1つとなっています。日本人駐在員の多くも一度はここを訪れたいと思っているはずですが、集中しているとは言っても主要なものを巡るだけでも一週間程度は必要になってしまうため、まとまった休暇が必要で、かつ効率よく回るための綿密な計画が必要です。私も駐在3年目にしてようやく準備が整ったため、満を持して訪れることができました。

ラスベガスロサンゼルスなどから様々なバスツアーが組まれており、それに参加するというのもひとつの手です。その場合は休暇さえ取ることができれば後はおまかせで済んでしまうはずですが、家族4人でツアーに参加するとなるとその参加費も嵩んでしまいますし、何よりそういうお仕着せのツアーというのが私の性には合わないので、全て自分で計画を立て、インターネットを活用して予約を取り、レンタカーで回ることにしました。

グランドサークルを訪れる人の多くがスタート地点に選ぶのはカジノ都市として世界的に有名なネバダ州最大の街、ラスベガスです。私達も飛行機でここへ入り、ウェブサイトで予約していたレンタカーを受け取りましたが、ラスベガスのマッカラン国際空港では全てのレンタカーはレンタカーセンターまでシャトルバスで移動して借りることになっています。時間帯やタイミングにもよるでしょうが、到着する多くの人がこのバス乗り場へ押しかけるので、行列を作って待ち、数台見送ってようやく乗り込めるような状況でした。
2012 Jeep Liberty
レンタカーはデルタ航空のクーポンコードが利用できたのでHertzを選択しましたが、ここのHertz Gold Plus Rewardというのに申し込んだところ、非常に簡単にチェックアウトすることができました。当日送られてきたメールに書かれている番号の駐車枠に停められている車にすでにキーが挿してあるので、勝手にそれに乗り込み、駐車場の出口で免許証を提示するだけでサインも必要なく出発できてしまいます。

また、今回はRAV4クラスの小型SUVを申し込んでおいたのですが、当初配車されたのは日産RogueのFFで、砂地も走るからSUVにしたというのにFFでは意味がありません。これを知ったのはラスベガスの空港に到着してからですが、その場でメールにあるリンクから簡単に別の車種へ変更することができました。Ford Explorerなどでは一日$100もの追加が必要でしたが、Jeep Libertyなら無償とあり、せっかくならアメ車がいいという妻の声もあって、今回の旅の供はLibertyにお願いすることにしました。これもリンクを数回タップするだけでログインも必要なく、駐車枠番号の指定が変更された新しいメールが届くのでそれに従うだけ、という簡単さで、非常に素晴らしいシステムです。

ということでそのLibertyに乗り込んでラスベガスの街へと颯爽と繰り出し…といっても私達はカジノや街の喧騒には関心がないので、MGM GrandBellagioCaesars Palaceといった有名ホテルが立ち並ぶLas Vegas Blvd.を通り抜けて左右のホテルを眺めたあと、近くにあったシーフードレストランで昼食を摂り、すぐに街を後にしてしまったのでした。 (続く)