Arches - 巨大な岩壁よく歩きました。

グランドサークルの旅の2日目、朝早めにブライスキャニオンのロッジを出て向かったのはアーチーズ国立公園でした。移動距離は400kmほどになるので、ブライスキャニオンでは本格的に降っていた雨も途中ですっかり上がり、その後はきれいな青空が広がるようになりました。
Arches - Balanced Rock
ここにはその名の通り天然のアーチが2000以上もあるということで人気のある国立公園となっていますが、まず最初に出迎えるのは巨大な岩壁です。前を走る車とその大きさを比較するとあまりの巨大さが非現実的なものにも思えてきます。またその前へ進むと、巨大な岩がそれよりも細い柱の上にバランスよく乗っかっている、その名も”Balanced Rock“というものや、平地に円錐形の岩山が立っているようなものなど、非常に独特な自然の造形を楽しむことができます。

公園全体の面積は309km2もあるそうなので、その中に点在する有名なアーチを巡るためには車での移動が欠かせませんが、アーチを間近で見るためには駐車場からさらに歩いていかなければなりません。この日は気温が30℃以上に上がっていたので、湿度が低いのでベタベタした感じは全くないものの、日差しがきつくスタミナを消耗しました。
Arches - Double Arch
最初に歩いたのは”Double Arch“と、駐車場を挟んでその反対側にある”North Window”とでした。Double Archは2つのアーチが片側の支点を共有したような形でくっついたもので、一体どうしてこのような形のものができるのか不思議でなりません。アーチを構成しているのは固い砂岩のようですが、これが水で侵食されたのだとしても現在の地形ではその水は一体どこから来たのかが分かりません。

一方、North Windowの方はアーチというには厚みがあり、巨大な平たい岩にまさに窓のような穴があいたもので、他のアーチとは趣の異なるものでした。
Arches - Delicate Arch
この公園で最も有名なのは”Delicate Arch“と呼ばれるもので、ナンバープレートの図案に使われたりとユタ州の象徴ともなっている有名なアーチです。しかし、このアーチはその名の通りデリケートなものであるためかすぐそばまでは行くことができず、またある程度近くに行くにしても5km近くのハイキングが必要なようです。長男は大丈夫だったかもしれませんが、その他の家族の誰にも岩場をそれだけ歩く気力は残っていなかったので、ちょっと離れたところからアーチが眺められるポイントまで行ってみることにしました。しかし、このポイントが思ったよりも高いところにあって登っていかなければならず、案外しんどい思いをすることになりました。とはいえこの象徴的なアーチをひと目も見ずに帰ることはできないので、それでも後悔はありません。
Arches - Landscape Arch
最後にもう一つ見ておかなければならなかったのは、妻も見たいと言っていた”Landscape Arch“という横長のアーチです。これはアーチ部分が非常に薄い一方、長さは100mを超えるという、この公園内で最も大きなものです。これを見るためには車で行ける最も奥の地点まで進み、さらに駐車場から2.4kmほど歩かなければなりませんでした。この頃には空を雲が覆うようになっていて暑さは和らいでいましたが、途中から足元が砂になり疲れは増しました。それだけに実際にアーチが見えてくると達成感もひとしおとといったところでしょうか。逆にすぐそばまで車で来ることができたとしたら、それほどありがたいものには思えないかもしれません。
Sabaku Sushi - Fiery Furnace
このあと、見る予定だったものはひと通り見たのでホテルにチェックインしようか、と車に乗ったのですが、走りだして数分経ったかというところで空がみるみる暗くなり、土砂降りの雨となってしまいました。車に戻るのがあと10分遅かったら大変なことになっていたところです。雨はその後公園を出るあたりまで30分ほど続いたかと思います。

結局、雨のせいでゆっくり走らざるを得ず時間がかかってしまったこともあり、ホテルの前に直接夕食を摂りに行くことにしましたが、今回選んだのは”Sabaku Sushi”という名のスシ店です。ミシガンではほとんど日本食を食べに行くことはないのですが、何となく旅行先では面白いものが食べられるような気もして行ってしまうのです。メニューには正統派の握りや巻物もありましたが、アメリカンなロールスシにはアーチーズに因んだ名前が付いており、私が選んだものは”Fiery Furnace“という名前です。4人いる板前は全員白人でしたが、寿司の大きさも味も日本的な感じでなかなか美味しく、次から次へと客がやってくるのも納得できるものでした。何より媚びた感じがないのが良かったです。

おいしい食事ができるとその日一日が充実したものに思えるものですが、実際この日はしっかり歩いて凄いものを見て満足出来ました。翌朝はホテルの朝食を摂ったあと土産物屋にちょっとだけ寄り、また次の目的地へと向かいました。 (続く)