こんな経験はしなくていい。
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先日の日曜日は父の日で天気もいい日でしたが、家族はみな仕事や遊びに出かけてしまったので、久しぶりに大阪に行ってみようと、珍しく電車に乗っていくことにしました。私は通勤も徒歩なので、電車に乗るのは月に一度あるかないかというくらいのことです。

姫路から大阪へはJR神戸線新快速のルートと、山陽電車から神戸高速鉄道経由で阪神電鉄に乗り入れる阪神梅田駅までの直通特急に乗るという2つの経路があります。もっと急ぐ人には新幹線で新大阪まで行くという富豪的なルートもありますが、それは別格として時間的には100分程度かかる私鉄ルートに対してJR新快速では60分と圧倒的に有利です。しかし、JRでは姫路ー大阪間が片道1490円、往復2980円かかる一方、「阪神・山陽 シーサイド1dayチケット」という一日乗車券を利用すると途中下車自由で2000円で済んでしまい、所要時間と料金が反比例するようなイメージとなっています。このため、この日は特に急ぐ必要もなかったため、山陽電車を利用して行くことにしたのでした。しかしこれが運の尽きというものです。

乗っていた電車がおそらく100km/h以上のスピードで山陽魚住駅を通過したところで、「ドーン」という衝撃音に続いてバラストが飛び跳ねて床下に当たっているような音がするのが聞こえたかと思うと、緩やかに減速してそのまま停止してしまいました。明らかに何かを巻き込んだのだと即座に思ったのですが、その「何か」が何であるのかはおそらく一つしかないということに気づくのもすぐでした。そしてその後間もなく車内放送で人身事故発生と伝えられたのでした。

滅多に電車に乗らない私なのでこのような経験は初めてでしたが、よくあるようなことなのでしょうか。しかしこのとき自分が不思議と落ち着いていることに、我ながら意外に思いました。ただ、亡くなった方のことよりも、運転士と車掌さん、そして事故処理に当たる消防署と警察署の方々が非常に気の毒に思えて、特にその瞬間を目の当たりにした運転士さんの精神的ショックを思うと本当にいたたまれない気持ちになり、私自身の気分も沈んでしまいました。車内放送では繰り返し迷惑を詫びていましたが、関係者の皆さんに比べれば私自身の迷惑などというものはたかが知れていて、憤りのようなものはまったくありませんでした。

なお、私が乗っていたのは3両目だったと思いますが、それでもはっきり音が聞こえるほどですから、相当な衝撃だったはずです。詳しいことはよくわからないものの、人が亡くなっていることは確かなのですが、本当に純粋な事故なのであればもっと大問題になるはずのことがそうなっていないということは、やはり自死なのでしょうか。その方には事情があってということは分かりますが、他に選択肢はなかったのかと大変残念に思います。