先日、Googleマップで埼玉県の川口市役所が「クルド市役所」と表示されるという報道がありました。しかしこの報道は少々ミスリーディングで、たしかに「クルド市役所」と検索すると川口市役所の実際の所在地に「クルド市役所」というポイントが登録されているのですが、これとは別にもともと存在する川口市役所は正しく登録されています。
要するに単に悪質な悪戯ということなので、大騒ぎせずに「情報の修正を提案」というボタンから「不適切、有害、誤解を招く」という理由で削除提案を送るのが正しい対応だったと思います。こういったことに対して無駄に騒ぎを大きくするのはマスコミの良くないところではないでしょうか。
現在はGoogle側もすでに対応しているようなのですが、しかしこれが良くない状態になっていて、「クルド市役所」と検索すると川口市役所が表示されるという、川口市役所の別名として認めるような形になってしまっています。これに対してGoogleに直接フィードバックする手段はないと思うので、結局Googleの人が気づいてくれるように騒ぐしか無いのかもしれません。
Googleマップというのはユーザーが自主的に情報を提供し合うことによって成り立っているシステムなので、どうもそれを良く理解していない人も多いようですが、今回の件はこれを悪用というか、このシステムの弱点を突いて引き起こされた騒ぎということになります。いろいろな人が使っているものなのでこういう迷惑行為をする人も一定の割合で出てきてしまうのだと思いますが、サービス提供者であるGoogleには防ぎきれないものだと思います。
代わりに、それを排除するために報告する仕組みも提供されているのですから、善良なユーザーは粛々と報告していくしかないのではないでしょうか。こういう互助的なシステムは古き佳きインターネットにはよく見られたものですが、ウェブ上のサービスを単なるインフラとしか見られないような人が増えた今は難しいのでしょうか。