昨日行われた都議選の結果でも見ようとしていたところ、たまたま見つけたのですが、「「置き配」が標準、手渡しは追加料金 国交省が宅配の新ルール検討」という朝日新聞の独自記事がありました。見出しの通り、物流のドライバー不足の対策として、宅配便の再配達を減らすために「標準運送約款」を見直して置き配を標準サービス化して、手渡しには追加料金がかかるような仕組みにする、というものです。
私自身は商品購入時の配達のオプションで置き配が選択できる時にはほぼ必ず選択していますし、選択できない場合には配達時に不在の不安があれば配送センターなどで受け取るように指定したりもしていて、再配達は極力防ぐようにしているので、この標準約款の見直しには概ね賛成です。置き配には荷物持ち去り、つまり盗難のリスクがあるのも事実で、宅配ボックスが設置されていない場合には特に高額な商品では手渡しを希望したいケースもあるでしょう。しかし、置き配以外は利用できないというのでなければ、結果的には運賃の値上げを抑制することにはなるでしょうから、受け入れるべきではないでしょうか。見方を変えれば、置き配利用時には割引料金になるという話です。
古いマンションなどでは宅配ボックスが設置されていないので不公平だという声もあるようですが、むしろ宅配ボックスを設置するコストは誰が負担していると思っているのかという話です。不公平だと思うのであれば、新しいマンションに引っ越すという選択肢もあるのではないでしょうか。私自身も築30年以上のマンションに住んでいて宅配ボックスなどありませんが、幸い玄関と通路の間にちょっとしたポーチがあるので、置き配荷物はそこに置いてもらえば、心理的に持ち去りにくいようにはなっていますし、自前の宅配ボックスを設置することも可能なので検討していたりもします。
なお、今回の見直しに「概ね賛成」と言ったのは、初回の手渡し配達までは無料でもいいのかなと思ったためです。置き配も手渡しも配達側の負担は時間にすれば1分程度のものでしょうから、そこまでは無償というか標準サービスとして、再配達を有償サービスとしたらいいのではないでしょうか。もちろんこれは業者側に不正がないこと、つまり配達したふりをして最初から再配達扱いにするといったようなことをしないことが前提となりますが、不在票から受け取り希望の連絡をすることで初めて再配達するような仕組みであれば防げるかもしれません。
ちなみに「標準運送約款」というのはあくまで配送事業者と荷主との間の契約のテンプレートとして定められているものなのですが、この標準約款とは異なる約款を定める場合には国土交通省の認可が必要になるとのことで、ある程度の強制力があるもののようです。したがって、今回検討されている改定が成立した後で、仮にある業者が置き配をオプション扱いしようとしても認められない可能性が高いようなので、事実上のルール変更となるようです。

