先日は「残業キャンセル界隈」という記事で最近の若い従業員の問題を取り上げてみましたが、今度はその上に立つ側の問題について、弁護士JPニュースの「社内で「アイス」食べる新入社員、注意した上司が“モンスター”と炎上 就業規則上「禁止」ではないが…“雰囲気”理由に制限していい?【弁護士解説】」という記事が気になったので、これについて考えてみたいと思います。

この記事で書かれているのは、もともと2020年の日刊SPA!に掲載されて以来何度も再掲されている「新入社員が休憩時間にアイスを食べるのはあり?なし? 注意した上司が法務部に密告された顛末――仰天ニュース特報」という記事が、先月の掲載時にSNSで話題になったということを取り上げ、それに対して弁護士の立場から法的な観点で解説を加えたものです。

まずそもそも、休憩時間にアイスクリームを食べていたからといって何が問題なのか、というのが自然な反応ではないかと思うのですが、そこにもいろいろな感じ方があるのでしょうか。その新入社員を注意したのは38歳の研修担当者だということで、世間的には立派なおじさんかもしれませんが、私から見ればまだまだ若い方で、そんな人がこんな考え方だということには驚いてしまいます。

「確かに、休憩中にアイスを食べるのがダメという規定はありません。でも雰囲気でありませんかね? アイスがダメっていうのが。僕の中では“ノンアルコールビールを飲みながら仕事をする”という感覚に近いのかもしれません」

もちろんルールとして禁止されているのであればダメなのは当たり前ですが、それを「雰囲気」で制限することにはかなり違和感があります。また、ノンアルコールビールを引き合いに出していますが、これは未成年が飲むことが推奨されていなかったり、アルコール分が1%でも「ノンアルコール」に分類されることから、同じようなものとは言えないのではないでしょうか。また、アイスクリームであれば匂いがするわけでもなく人に迷惑はかけないはずで、タバコが許されるのにアイスクリームがダメなのはなぜかと疑問を感じてしまうでしょう。

また、もしその理由が「こぼしたときに機器を損傷する可能性があるから」ということであれば、そのような機器のあるところでは飲食禁止などにして、休憩室や食堂で食べるよう指導すれば済むことです。その代わり、アイスクリームに限らずお茶やコーヒーも同様に禁止しなければならないでしょう。

SPA!の記事では注意された新入社員がこのあと法務部に相談した、ということを「告げ口」や「密告」と表現しているのですが、それ自体もまた古い考え方なのではないかと思わざるをえません。パワハラなどの疑いがあれば気軽に相談できるようでなければ根本から断つこともできないのに、それが問題であるかのような言い方は良くないのではないでしょうか。

弁護士JPの記事では、これが実際にハラスメントに該当するものなのかどうかについて解説しているわけですが、元の記事のように合理的な理由なくやめさせることについては、それを繰り返せばハラスメントとなる可能性を否定できないようです。また、こぼして会社に損害を与えたとしても、「『故意または重大な過失』がない限り、全額の損害賠償責任を負わせるのは不相当とされています。」とのことです。そのような可能性のある場所での飲食を禁止していなかった会社側にも責任があるということでしょう。

幸いにも私の勤務先では事務所では自由に飲食でき、以前から売店ではアイスクリームが売られていましたし、最近はオフィスグリコの冷凍庫も置かれるようになって事務所内でアイスクリームが購入できるようにさえなりました。この点に関しては窮屈な会社でなくて良かったと思います。