Microsoft & Yahoo!奇しくも朝日新聞Be on Saturdayの巻頭GoogleのCEOであるEric Schmidtが飾った今日、ネット業界での生き残りをかけてソフトウェア業界の巨人Microsoftが検索サイトの草分けYahoo!との経営統合を含めた提携交渉を進めているとWall Street Journalが報じたそうです。実現すれば業界地図は大きく塗り替えられることになるビッグニュースですが、WSJの記事概要を見る限り既に交渉は過去のものであり、現在は協業の道を探っているというような状況のようです。

どういうわけか日本ではヤフー・ジャパンが圧倒的なシェアを握っている検索ポータルサイトですが、海外ではGoogleの勢力が既にYahoo!を凌駕しており、Microsoftの運営するMSNなどは見る影もないようです。また、MicrosoftとYahoo!が危機感を抱いているのはGoogleでいえばAdSenseにあたるコンテンツ連動型広告の分野で、Googleがこれに支えられて目覚ましい成長を続けている傍ら両社は伸び悩んでいるような状況にあります。

仮にYahoo!がMicrosoftに買収され各種サービスが統合されるような状況になった場合、独自路線を進んでいるヤフー・ジャパンがどうなるのかというのは一つ気になるところです。ヤフー・ジャパンを傘下に持つソフトバンクとMicrosoftとは長年良好な関係を築いているかと思いますが、米国本社が統合されるとなった場合の立場は微妙になるのではないでしょうか。

また個人的に懸念されるのはFlickrとKonfabulator改めYahoo! Widgetsの行く末です。私がこれらの利用を始めたのはYahoo!に買収される前のことですが、さらに買収によりMicrosoftの所有となってしまった場合、特にYahoo! Widgetsの方はWindows VistaのSidebar Gadgetと競合する存在になってしまうので、このままサポートが続けられるとは考えにくいものです。また感情的にはMicrosoftの軍門に下るのが癪なので、もしもの場合はPicasa Web AlbumGoogle Desktop Gadgetへの移行を考えることになるかも知れません。

MSは前向きだが、ヤフーの創業者ら経営陣はMSに悪感情を抱いており、交渉には障害が多いという。

というのは苦笑してしまうところですが、やはり自らも吸収を続けて大きくなったYahoo!の経営陣も自分が吸収されるのはなかなか受け入れがたいのでしょうね。一般紙の一面を飾るセンセーショナルなニュースではありましたが、何が起こってもおかしくなさそうなアメリカでも実現は遠いのかも知れません。