eo光大抵ボトルネックはサーバ側にあるのですが。

私が初めてWindowsマシンを購入したのは今から10年前のことですが、当時は一般向けの商用ISPが沢山誕生した頃で、電話回線を通じてダイヤルアップ接続というのが一般的でした。私もモデム内蔵のPCを購入し「さあネットサーフィンだ」と意気込んでいたわけですが、この時契約したISPが当時日本テレコムが運営していたODNでした。この時は単に申し込みが簡単だっただけで選んだのですが、その後日本テレコムがソフトバンクに買われるなどしても、回線はISDNになりADSLになりと変化してもそのままつい先日まで利用し続けてきました。まあISPなんていうものは一旦契約してしまえば特に問題がない限りなかなか乗り換えるものではないと思いますが、この間常にリーズナブルな料金でサービスを提供し続けてくれたので私も概ね満足していたわけです。

しかし、ADSLの50Mbps接続サービスを利用していたのに期待していたスピードが出ない、というのは収容局からちょうど2kmほどの距離なので当初から諦めていたのですが、1年ほどまえから接続が不安定になってきて、モデムのデータを見てもエラーがかなり増えているのがわかりました。最近の症状としてはブラウザでリンクをクリックしてもリクエストが正常に送れないのか、あるいは応答が届かないのかでタイムアウトになってしまうことがたびたびあり、ちょっとしたストレスを感じていたのでした。

ということで何とかしたい、と思っても原因はおそらくODN側ではなくADSLの経路上にあるでしょうから、ISPを変えても何の解決にもなりません。となると今さらダイヤルアップというのもあり得ませんので、残る選択肢は光ファイバー、FTTHということになります。私の自宅はマンションなので、光を引きたいと思っても勝手に引くわけにはいかないのですが、私のマンションでは数年前からケイ・オプティコムeo光が利用できるようになっていたのでした。それならなぜ今までADSLで我慢してきたのか、という話にもなりますが、まあ乗り換えが億劫だったということに尽きるでしょうか。

というわけでウェブサイトから工事日を予約して申し込みを済ませたのですが、実際にはその後の電話連絡で工事日を前倒ししてもらうことができて、申し込みから18日ほどで無事開通しました。工事日には前もって送られてきたモデムなど一式を自分で接続するだけで宅内工事は一切必要ありませんでしたが、これは構内をVDSLで接続するマンションタイプだからこそでしょう。マンションまでの100Mbpsの帯域を他の住人と分け合わなければならないという大きなデメリットはありますが、その分手軽に利用できますし、何より他に選択肢がないのだから仕方ありません。

接続スピードは下り最大100Mbpsということにはなっていますが当然そんなスピードが出るわけもありません。実際はどんなものなのかと色々測ってみると、だいたい下りは20~40Mbps、上りは20Mbpsほどの速度が出ていることがわかりました。下りは十分に速いとはいえ、まあそんなものかというようなものですが、上りの方はこれまでのADSLでは考えもしなかったスピードなのでピンとこないほどです。まだ利用している住人が少ないのか、また高齢化が進んでいるマンションなのでヘビーユーザがいないのか、朝でも夜でもあまり変わりはないようです。

実際には回線がそれだけ速くなったとしてもサーバ側が速くなければ意味がありませんし、またPCの性能も高くないとブラウザなどの動作の方が追いつかず全く活かしきれないということになってしまいます。回線をフルに使うとなるとそれこそWinnyでも起動しないと…ということになるのでしょうが、今さらWinnyなんて大人の使うものではありません。

ところが先ほど弟から思いがけず喜びのメールが飛んできました。というのも、弟は私の家にロケーションフリーのベースステーションを置いて、東京の自宅でサンテレビの阪神戦中継を見ているのですが、このロケーションフリーの映像がかつてないほどきれいに見えるようになったということなのです。弟の家では一足早く光化していて、しかも一戸建てなので十分な帯域があったわけですが、こちらが上りの苦手なADSLでは辛うじて見られるというようなレベルでした。それが今日から一気にきれいになったということで、私も光にした甲斐があったとさえ思ってしまいました。

その他には今のところ実感として違いはほとんどないのですが、特にデメリットがあるわけでもなく、トータルの料金もこれまでより安くなるということで満足しています。10年前は56kbpsというようなレベルだったことを思うと実に1000倍近いスピードになっているわけですが、やりとりするデータの方もそれに見合って増えているので今後もこれで十分ということはないのでしょうね。しかし現時点では光の次に来るものは存在しないので、この次の変化はまだ数年先ということになるでしょうか。今はまだ想像もつかないテクノロジーがきっと数年内に実用化されるでしょう。