Ghost Rider実にアメコミらしい単純明快さ

芸名をコミックの主人公の名前から取ったという辺りからして相当のコミック好きなのでしょうが、これに関しては好きが高じてタトゥーまで入れてしまったということですから余程なのでしょう。本作「ゴーストライダー」はコミック”Ghost Rider“の熱烈なファンであるというNicholas Cageが積極的に製作に関わったという、アメコミの実写化作品です。

ゴーストライダーTM デラックス・コレクターズ・エディション エクステンデッド版(2枚組)
監督:マーク・スティーヴン・ジョンソン
ソニー・ピクチャーズエンタテインメント (2007/08/22)
ISBN/ASIN:B000RZAG20

父親の末期癌を治すことと引き替えに悪魔Mephistophelesと魂の契約を結んでしまい、彼のために働くことになってしまったバイクスタントマンJohnny Blazeが、燃えるドクロの顔を持つ超人として悪者と戦うという、アメコミらしく極めて荒唐無稽でオカルトチックなストーリーです。前半はスタントシーンが多く、実際にこんな単純なスタントにアメリカ人は熱狂してしまうものなのだろうかと冷ややかにも観てしまうのですが、まあそれはよくわからないので置いておきましょう。

Nicholas Cage演じるJohnnyが戦うことになる相手はMephistophelesの息子Blackheartとその3人の手下たちなのですが、この手下たちはいとも簡単にあっけなくJohnny=Ghost Riderにやられてしまうので、戦闘アクションシーンはあまり多くありません。それよりもバイクスタントとHell Bikeとなったバイクの走行シーンなどの印象が強くなっています。Hell Bikeが走ると道路の舗装はひどいことになってしまい、沿道の建物や駐車車両などもメチャメチャになってしまうので、いくら正義のヒーローとはいえこれはないのではないかというくらいHell Bikeの走りは派手です。

Johnnyが契約を結んでしまう若かりし頃はMatt Longが演じていて大幅な変貌を遂げている(?)のですが、ヒロインのRoxanne役はどちらのシーンもEva Mendesが演じているので、どうしても違和感がありますね。やはり10歳以上年の違う2人を同年代に見せようというのはいかにハリウッドマジックといえども如何ともし難いものがあったのでしょうか…Nicholasのおデコは増毛されていたんですけどね…

まあ単純なアメコミとはいえ、Blackheartにとどめを刺すシーンではなるほどと思わせるものがあり、ちょっと良かったですね。もともと全く歯が立つような相手ではなさそうだったのですが、そういうことか、と感心してしまいました。といってもそんな大げさなものではないので、これから観るという人もあまり期待はしないで欲しいですが…