ペリカン便言いっぱなしでいいの?

私もAmazonで購入した商品の配達ではいつもお世話になっている日通ペリカン便ですが、先日の朝日新聞朝刊に「『ペリカン便』引退 日通、『ゆうパック』に一本化」という記事が大きく取り上げられました。曰く、

日本通運の宅配便事業のブランド「ペリカン便」が、約30年の歴史に終止符を打つ見通しになった。日本郵政グループの郵便事業会社との事業統合に伴い、両社がブランドを「ゆうパック」に一本化する方針を固めたためだ。

ということで、なんだか残念に感じられてしまいました。

しかしこれに対し日本通運からは「本日の一部報道について」として

 本日、一部の報道機関より、日本郵便との宅配便事業統合に伴う商品ブランドについて、報道がなされておりますが、当社として発表したものではありません。
 現在、報道にあるような事実はありません。

という発表があり、否定されています。まあこういう時は仮に事実であっても発表前に漏れてしまった場合は大抵否定されるものですが、「報道にあるような事実はありません。」という表現はあまり見ないような気がします。実際のところはどうなのでしょうか。

朝日新聞の記事の方を改めてよく読んでみると、あくまで「見通し」だとか「方針を固めた」という言い回しであり、断定的なことは何一つ言っておらず、いかにも情報量の少ない中で記者が組み立てたストーリーのように感じられ、実は新しいことはほとんど書かれていませんが、見出しはセンセーショナルです。また、「ペリカン便」の方が「ゆうパック」よりも実績で大きく上回っているのにもかかわらず、ペリカン便の方がなくなってしまうというのもどうも腑に落ちません。

今回の報道により日本通運の株価にも大きな変化はないようですが、何かしら得をした人、損をした人がいるのではないでしょうか。もしもこの報道が事実無根なものであった場合でも、新聞社としては何ら謝罪はもとより訂正もしないものなのでしょうか。どうもマスメディアは「知る権利」や「報道の自由」と権利ばかりを振りかざしているような気がしてならないのですが、私の見方が歪んでいるだけでしょうか。

朝日新聞には続報として「日通の『お荷物』終幕 ペリカン便、シェア低下響く」というえらい言い方の記事が掲載されているのですが、今のところ他紙では何も報じられていないようです。GIGAZINEでも「ペリカン便消滅は本当なのか、日通に電話してみた」ということですが、日通には完全否定されています。仮にペリカン便が単体で赤字なのが事実だとしても、だからといって終了ということにはならないと思いますが、本当のところはどうなのでしょうか。ちょっと気になるところではありますが、答えは遅くとも日本郵便との宅配便事業統合の新会社が設立される6月1日にははっきりするのではないでしょうか。