N700出張の道中の暇つぶしもこれでバッチリ?

最近は朝出勤してから退社するまで一度も事務所を出ない日も少なくないというほど出掛けなくなってしまったのですが、現在の職場に移動になる前には毎週新幹線に3時間乗って客先に出張していたような時期もありました。新幹線というのは飛行機と違って一旦乗ってしまえばあとは座っているだけでいいので好きなことができるのですが、逆に言えば暇を潰せるものを何か持っていないと退屈で仕方なく、あとは寝るくらいしかありません。私は余程疲れていない限り電車などでは寝ることができないので、本を持参したり、駅の売店で雑誌を買ったりしていたものです。

本当はそういうときにウェブを見ることができれば暇なんていくらでも潰せそうなものだったのですが、走行中の新幹線でインターネットに接続する手段というのは携帯電話くらいしかなく、PCを接続して通信するとなると通信費は相当なものになりそうですし、かといって携帯電話の画面では小さくて疲れたり、バッテリーの持ちも気になってしまいますのでどうしようもありませんでした。

今回JR東海から発表されたのは、東海道新幹線の最新型N700系車両において、線路沿いに敷設された漏洩(LCX)ケーブルを経由して車内の無線LANからインターネットに接続するサービスを2009年3月から提供する、というものです。「回線速度は2Mbps」とされていますが、これは列車と地上局との間の速度と思われますので、利用人数にもよるものの高速と言えるものではありません。まあ270km/hで走行する車両からインターネットに接続できるということ自体、素晴らしいことと言えるでしょうか。

とはいえ、光ファイバーの100MbpsやADSLの24Mbpsなどが当たり前の現代の感覚では2Mbpsというと亀のような遅さに感じてしまいますが、56kbpsのモデムで高速だと思っていた15年ほど前のことを考えればメールの送受信などには全く問題のない速度でしょう。ウェブのブラウズも動画やFLASHが入っているとさすがに辛いでしょうが、PHSでもちょっと我慢すればいいくらいのスピードではアクセスできましたので問題ないでしょう。

しかし気になるのは

高速の回線速度を必要とする動画の閲覧を快適にご利用いただける程の速度ではありませんが、メールやインターネット等のビジネスユースには十分対応できる速度となっています。

という説明で、ここでいう「インターネット等」というのはどこまで含まれるのか、メールはインターネットではないのか、動画もインターネットとは違うところのものなのか、ということです。いえ、もちろんこの「インターネット」というのがウェブブラウジングのことを言いたいのだというのはわかっているのですが、「東海道新幹線のインターネット接続サービスについて」というタイトルのニュースリリースでそれはちょっとおかしいのではないかと思うわけです。

それはともかく、JR東海としては私のような暇つぶしでの利用ではなく、あくまで「ビジネスユース」のためのサービス提供ということのようですが、残念ながら私の勤務先では機密保持の観点から業務用PCからインターネットへの接続が厳しく制限されていて、無線LANなどもってのほか、というような状態なのです。社内のメールも社外からVPN経由でアクセスできるようですが、あくまで無線LANは禁止です。まあたとえ仕事に使えたとしても、私はそんなところでまで仕事をしたいとは思いませんけどね…デキる人は違うのかもしれませんが。