このパワーもいつか遠からず使い切ってしまうはず…
何年か前までは最新鋭のPCを購入しても1年もしないうちに陳腐化してしまい、次々と新しいものに目移りしてしまうような感じでしたが、いつの頃からか動画編集やゲームでもしない限り性能を使い切ることがなくなってしまい、PCを売る側としては何ともやりにくい状況になっているのではないでしょうか。まあ世の中の多くの人のPCの用途といえばウェブの閲覧やメールのやりとりが主で、後はせいぜいiTunesなどやデジカメで撮った写真の整理と年賀状印刷くらいのものなのでしょうから、やることが変わらないのなら必要な性能が変わらないのも当然といえば当然です。
私もなんと4年近くも前に購入したAthlon 64 3000+というCPUを使い続けてきたことに我ながら驚きを感じていますが、近頃さすがにパワー不足を実感するようになりました。特に我慢が辛いのがAdobe Lightroomを使っているときで、写真のコマを送る度にプレビューの生成に数秒待たされるのは結構な苦痛です。またその他では動画のトランスコーディングやスライドショーDVDなど、動画の処理には特に時間がかかります。
ということで、先週東京の実家に帰省した際に一念発起して…というほど大げさなものではありませんが、何年かぶりに秋葉原へ足を運び、PCのリニューアルのためにいくつかのパーツを購入してきました。久しぶりの秋葉原は特に駅周辺などまたずいぶん変わっていましたが、オタク男よりもコスプレ女の方が気持ち悪くて、買い物が済んだらすぐに立ち去りたいような雰囲気でした。
それはともかく、今回購入したのはPCの中でも中心的部品であるCPU、マザーボード、メモリモジュールの3点です。
まずCPUは長らく使い続けてきたAMDとは一旦おさらばしてIntelのデュアルコアCPUCore 2 Duoのうち、つい先週まで最高速で購入3日前に2番手となったE8500を選択しました。クアッドコアにもずいぶん惹かれましたが、単一コアのパフォーマンスはデュアルコア製品の方が上ですし、価格差以上の性能差は実感できないだろうということと、TDP 95Wという発熱も気になるということでこちらを選ぶことにしたのでした。
このCPUにあわせるマザーボードはちょうど特価になっていたAsusのP5K Proという全世代のモデルです。どうせマザーボードで現れる性能差なんていうものは比較しなければわからないようなものですから、こちらは必要十分な機能を備えていることと、次はAsusの製品を使ってみたいと思っていた、ということで決めました。現在はどうなのかよくわかりませんが、以前はAsusといえば安定性と品質に定評のあるブランドでした。
CPUを変えるとマザーボードを変えなければならず、マザーボードを変えるとメモリモジュールを変えなければ…と連鎖的に買わなければならなかったのですが、メモリは一時期よりちょっと値上がりしたとはいえずいぶん安くなっています。今回はUMAXブランドのDDR2-800 2GBx2の合計4GBのセットを購入しましたが、ブランド品のメモリが4GBで1万円ほどとは驚きです。ちょっと前に購入した1GBのメモリはちょっともったいないことになってしまいましたが、使えないものは仕方がありません。
というわけで自宅に戻った翌日には朝から組み込み作業を行い、めでたく無事に起動することができたのですが、ちょっと使ってみただけでは心なしか軽いような気がするという程度で、ハードディスクのアクセスがボトルネックとなってしまっているようです。しかし、これまで重いと感じていたLightroomや動画の処理などは明らかに速くなっていて、パワーを実感することができます。
具体的な数値としては、これまでiTunesでCDをリッピングするときに7~8倍速だったものが35倍速程度にまでなりました。これはリッピングの設定などによっても変わるでしょうが、Athlon 64 3000+に対して5倍近い性能になっているということは言えるでしょう。また、CPUの負荷を見ていても、iTunesで音楽を聴きながら普通にウェブを見たりしているだけでは1~2%程度、たまに10%程度になるだけで、なんだかもったいないような気さえしてしまいます。
そんな感じでかなり満足度の高いアップグレードになりましたが、投資額はしめて4万円強です。4万円出せばメーカー製のローエンドPCが新品で購入できるという声もあるかもしれませんが、4万円のマシンではこの性能は出ないでしょうからね…今や自作PCなんて道楽でしかないとも言われますが、うまく部品を流用していけば決して割高ではないと思っています。