「いいか、落とすなよ、絶対に落とすなよ!」
先週末頃から喉の痛みを感じ、風邪の兆候に戦々恐々としていた私ですが、ついに昨日はあまりの頭痛に耐えきれず、一日寝て過ごしてしまいました。しかし、そんな状態でもやはり気になってしまうのは、北朝鮮が発射を予告している「人工衛星」を打ち上げるというロケットです。私が寝ている間に何かが起こって、知らないうちに戦争が始まっていたなどということは考えたくありません。昨日は結局発射されずに終わったようですが、予告期間は4月8日までなので、予断を許さない状況は続いています。
マスコミの報道のせいでぼやけてしまっているところですが、今回発射されようとしているものが北朝鮮の言うように平和利用のためのロケットなのか、あるいは軍事目的のロケットであるのかということは、先端部に搭載されているものが人工衛星であるか弾頭であるかという違いでしかなく、ロケット本体を目的の場所へ到達させるための技術には大きな違いがありません。したがって、そのどちらであるかということは本来どうでもいい話です。
では何が問題なのかというと、北朝鮮が何らかの飛翔体を無許可で日本の領空を通過させようとしていることです。それが民間人を乗せた航空機でしかないのであれば許可を与えることもやぶさかではないでしょうが、未だ技術の確立していないロケットということであれば、日本の領空にいる間にどんなトラブルに見舞われるかもわからず、未使用の燃料が残ったままの状態で日本の領土に墜落でもしようものなら大惨事になりかねません。
また、ロケットの1段目が日本海、2段目が太平洋という、日本の東北地方をまたぐ海域に落下する予定と通告されていますが、これも何かちょっとした間違いでもあればタイミングがずれるなどして東北地方に落下してしまう可能性があります。日本ではこれに備えてパトリオットミサイル(PAC3)などによる迎撃態勢を整えているわけですが、本当に人工衛星の打ち上げなのであればロケット本体にパトリオットミサイルが届くこともないでしょうから、北朝鮮が心配することもないはずです。
しかし、私が最も恐れているのは、北朝鮮の発射するものがミサイルであってそれが日本に着弾することでもなければ、北朝鮮の発射したロケットを自衛隊が誤って撃墜してしまうことでもなく、北朝鮮が自ら日本の上空でミサイルを自爆させるなどして「日本に撃墜された」と濡れ衣を着せ、無理やり開戦に持ち込まれてしまうことです。今の北朝鮮の切羽詰まった状況からして本当にやりかねないのではないでしょうか。当然、日本側でもそういった状況を想定して何らかのシナリオを描いてくれていることと思いますが、国民は黙って見ているほかないのでしょうか…