茶畑普段自宅では緑茶をほとんど飲まない人なのですが。

最近は海外でもペットボトルや缶入りの緑茶が売られて飲まれるようになって来ましたが、これらはたいてい砂糖が入っている甘いもので、紅茶と同じような飲み方をされています。もともと緑茶を飲む習慣がない人々にとってはそれが自然なのかもしれませんが、日本人にとっては緑茶というのはその香りをそのまま楽しむのが基本であって、甘い緑茶などというものは邪道と感じてしまいます。

しかし一方で、そんな固定観念にとらわれず、飲み物なんて自由に楽しめばいいじゃないかとも思えます。珈琲や紅茶に様々な愉しみ方があるのと同様に、緑茶だって色々なアレンジを加えてみたら美味しい飲み方が見つかるかもしれません。特に緑茶と紅茶なんて茶葉そのものは同じでその加工方法が違うだけなのですから、あえて区別するのもおかしな話かもしれません。

ということで、この秋はいくつか緑茶をアレンジした飲料が発売されていたので飲んでみたのですが、これらがなかなか美味しかったので紹介してみることにします。

まず一つ目はサントリーの人気緑茶飲料ブランド「伊右衛門」の新製品、「伊右衛門 グリーンエスプレッソ」です。エスプレッソという名前からコーヒーのエスプレッソと緑茶がブレンドされた飲み物なのかと私の妻のように誤解する人も多いようですが、抹茶を使用した「エスプレッソコーヒーのような濃厚でコクのあるお茶」であるということからの命名です。

飲んでみた印象では確かにエスプレッソというイメージが理解できる、まさしく濃厚でコクのあるものになっていましたが、しかしあくまでも緑茶であるため後味はスッキリとしていて非常に美味しくできています。私にとっては緑茶の良いところだけを抽出したようなものになっていて、かつて緑茶飲料にこれほどまでに満足感を得たことはありません。400g缶で140円という微妙に高めの値付けになっていますが、私は買いだめしておきたいくらい気に入りました。

もう一つは日本コカ・コーラのコーヒー飲料ブランド「ジョージア」に新しく加わった「ジョージアクロス」シリーズの第一弾として発売された「ジョージアクロス 和-STYLE」です。こちらの方はジョージアブランドということからも判るように、あくまでコーヒー飲料のアレンジとして抹茶が加えられているものです。

コーヒーに抹茶、ということでゲテモノ扱いを受けかねない組み合わせですが、実際に飲んでみると違和感は全くありません。ただ、缶コーヒーというのは本来のコーヒーとは別の飲み物だと思っていますが、もともとコーヒーの味や香りはあまり強くないため、抹茶の香りの方が勝ってしまっているような印象です。さらにかなり甘い仕上がりになっているので、甘い抹茶ミルクのような感じかもしれません。ただそこにコーヒーのコクが加わっているような感じで、その取り合せは決して悪いものではなく、隠し味的な相乗効果となっているようです。

ということで、これはこれで独特な飲み物として受け入れられてもいいのではないかと思いますが、そのためにはまず多くの人に経験してもらわなければならないでしょう。最初に手を伸ばさせることができるかどうかに生き残りが掛かっているのではないでしょうか。

コカ・コーラ ジョージア 和-STYLE 190g×30本
メーカー:ジョージア
コカ・コーラ (2011/11/14)
ISBN/ASIN:B005YU7GD0