Man of Steel永遠のヒーロー。

今でこそ星の数ほどいるスーパーヒーローですが、アメリカでその元祖といえばスーパーマンです。1938年にAction Comicsの第1号に掲載されて以来、今年で75年にもなりますが、その間米を中心に世界中の人々に親しまれてきたと言っても過言ではないでしょう。またその間、テレビや映画で何度となく映像化されてきており、それが広く知られている理由でしょう。私にとってはChristopher Reeve主演の1978年の映画を小学校低学年の頃に観たのが初見ですが、その後シリーズ化され4作品が公開されたこともあってか強く印象に残っています。また最近もこのシリーズの続編として「スーパーマン・リターンズ」が2006年に公開されており、イメージをそのまま引き継ぎつつ当時最新の映像技術で再現していました。
Man of Steel - Kal El
さて、今度はこのシリーズに一旦終止符を打ち、Christopher Nolanのプロデュースによるリブートという形で、再び新しいシリーズが始まることになりました。「マン・オブ・スティール」というその作品は、これまでのシリーズとは一線を画すということで、John Williamsによるあの有名なテーマ曲も使用せず、音楽もHans Zimmerによる新しいものになっています。

仕切りなおしということなので物語は再びクリプトン星から始まりますが、幼少期の人にはない力を持つことに苦悩するところから、青年となって生きる目的を探し、そして生みの親を知って地球の守護者たることを決意するまでが描かれています。これは過去の作品ではあまり丁寧に描かれていなかったところだと思うのですが、軽薄な娯楽作品とは一味違う重みを与えることに成功しているのではないでしょうか。
Man of Steel - Lois Lane
今回、主人公のスーパーマン、Clark KentことKal Elを演じるのはHenry Cavillという英国人俳優ですが、影のある表情がなかなか印象的で良かったと思います。またかなりの筋肉が付いていましたが、これは加工されているものではないとすると相当鍛えられていますね。

またヒロインはといえばLois Laneですが、これは今回Amy Adamsが演じています。この人は「魔法にかけられて」を観た時から可愛いと思っていたのですが、実はもう38歳とあまり若くはないのですね。しかしそんなことはまったく気にならないくらい非常に魅力的な表情で魅せてくれます。
Man of Steel - General Zod
今回の敵役はGeneral Zodで、Michael Shannonが演じているのですが、気になってしまったのはこの人が着ている鎧のような衣装でした。襟の部分が凝った意匠になっているのですが、二重になっているその内側が巨大なファスナー、外側がエンジンのカムシャフトを曲げたものに見えてしまい、一旦そう思うともうそれとしか思えなくなってしまったのでした。実際にこれらからヒントを得たということもあるのかもしれませんが、格好はいいもののあまり必然性は感じられないデザインです。まあ格好良ければそれでいいのでしょうが。

ということで、非常に切れのある映像と重厚感のあるストーリー、演技も悪くはありませんし、設定的にも大きな破綻はなく、とても楽しむことができました。しかしあの「スーパーマンのテーマ」は聴きたかったですね。何かが足りないとすれば印象に残るテーマ曲かもしれません。場面に合わせた音楽自体はまったく問題なかったのですが、テーマ曲による高揚感というのもこういう映画には大事な要素ですね。