Steven Seagal as Casey Ryback in Under Siege何が「沈黙」?

先日自宅で「ちょっと映画でも観ようかな。でも疲れないのがいいな。」などと思いつつAmazon Instant Videoのタイトルを見ていたところ、だいぶ前に観たちょっと懐かしい作品を見つけました。いつごろ観たのだったのかはあまり記憶にありませんが、TSUTAYAでDVDを借りたのだったような気がします。当時はまだこのブログも始めていなかったのか記事にはないようなので、二度目の鑑賞ではありますが書いておきたいと思います。

沈黙の戦艦 [Blu-ray]
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原題はUnder Siegeなのに邦題は「沈黙の戦艦」となっており、「沈黙シリーズ」の一作目ということになってはいますが、本作の続編はUnder Siege 2の一作のみ、しかもその邦題は「暴走特急」となっていて「沈黙」は付かない、という酷い話になっています。この後の一連の作品を勝手にシリーズ化されたおかげで、売れさえすればいいのかという感じに陳腐に感じられ、観てみる前の私はB級以下の作品かと思っていたくらいですが、配給元は商品である映画を一体何だと思っているのでしょうか。だいたい「沈黙」というのが何のことを指しているのか、本作の時点でもまったく不明です。

それはともかく、この作品によって主演のSteven Seagalのややユーモアのある演技と、七段を保持するという合気道などの武術をベースとした独特のアクションが人気となり、その後同様な作品を生み出すことになったのは間違いないところです。「セガール拳」などとも呼ばれる彼のアクションは若干地味なところがありますが、それがかえってリアルに感じられていいのでしょう。

また彼の作品のいいところは、主人公が圧倒的に強く、ピンチらしいピンチもないので安心して観ていられるということろです。これは皮肉と取られるかもしれませんが、実際に「ハラハラ・ドキドキはしたくない」という状況はあり、そういう時に観るにはうってつけというわけです。今回観たのもまさにそういう状況だったわけです。

ところでこの作品は退役間近だったアメリカ海軍の戦艦ミズーリ(USS Missouri)が舞台となっており、航行シーンなどでは海軍の協力を得て実際にミズーリが使用されているとのことです。また、その他のシーンでも係留保存されている戦艦アラバマ(USS Alabama)を改装して撮影しているとのことで、非常にリアルな映像になっているのではないでしょうか。一般の人にはミズーリとアラバマの違いなんて分からないように思えますが、アラバマは1947年に退役していたため撮影が行われた時には既に40年以上が経過しており、一方ミズーリは1986年に装備が近代化されているため、それに合わせた改装が必要だったのでしょう。

作品内では上級士官の裏切りもあったためあまりに簡単に乗っ取られてしまっているように見えますが、この場合の悪役の目的が個人的なものだったから良いものの、これがアメリカその他の国家への攻撃を目的としたテロリストだったとしたら一体どうなるのかとゾッとしてしまいました。実際のアメリカ軍ではそうならないように何重にもプロテクトがかかっているのでしょうが、核弾頭を搭載したトマホークなどを大都市に向けて発射されてしまったら…

ちなみにSteven Seagalは俳優業の傍らボランティアで保安官などもやっているそうですが、なんとアリゾナ州知事選に出馬表明なんていうニュースがタイミングよく飛び込んできました。実際には「やってみようかな~」くらいのものではないかという気もするのですが、Arnold Schwarzeneggerに影響されているだけならきっとやめておいた方がいいですよね。