それでいいのか?
2年前のミシガン赴任直後、借家に入ったその週末に自宅にFBI捜査官がやってきた時には驚きながらもワクワクしてしまったものですが、どうやら隣人がグリーンカードの申請中だったか何かで身辺調査にやってきただけのようです。ところで一方、中央情報局CIAという組織はアメリカ国内での捜査活動は行えないのでアメリカに住んでいても接する機会はまずなく、まったく得体の知れない存在であるのは日本にいる時と変わらず、もっぱらお目にかかるのはフィクションの世界だけ、実在するのかどうかさえわかりません。
今回観た「エージェント:ライアン」という映画の主人公Jack RyanはそのCIAに所属するアナリストで、この映画はそのJackがCIAに入った経緯と、最初の大きな活躍を描いたものです。実は私は下調べをしなかったためにまったく知らずに観に行ってしまったのですが、Jack RyanというのはTom Clancy原作シリーズの有名な主人公で、この作品は「レッド・オクトーバーを追え!」「パトリオット・ゲーム」「今そこにある危機」「トータル・フィアーズ」に続くシリーズ最新作であり、リブート作品となっているのでした。ただし、これまでのシリーズ作品とは異なり、この作品ではTom Clancyの小説を原作としたものではなく、映画オリジナルのストーリーとなっているとのことです。
主人公を演じているのは新しい「スター・トレック」シリーズのJames T. Kirkを演じていることで私には馴染み深いChris Pineです。これまでのシリーズではAlec Baldwin、Harrison Ford、Ben Afleckといった人達が演じてきていますが、Chris Pineも含めて皆それぞれ違った雰囲気を持つ俳優なのが面白いところです。そういう点で、これまでとは違うことが問題にならないのはいいかと思いますが、今回は特に捜査官Jackとしての初期なので、いい意味でも悪い意味でも若さが現れているのはいいのかもしれません。
ヒロインであるJackの婚約者CathyはKeira Knightleyが演じていますが、とても綺麗で、かつ非常に健康的でいやらしさが全くないのが素晴らしいです。そんなKeiraの演じる無邪気なCathyが最後に酷い目に遭いそうになって、オジサンはハラハラしてしまいました。
しかし、いくら相手が悪者だといっても、捜査の方法が完全に違法としか思えませんが問題ないのでしょうか。いえ、問題がないとは考えられないのですが、CIAというのはそんな組織なのでしょうか。他の国から見るとCIAこそ悪の組織のように見えてしまっても無理がないように感じてしまいました。確かに相手は無辜の市民に危害を加えようとしている悪者なので庇う必要はないのかもしれませんが、法治国家としてはどうなのだろうということです。
ちなみになぜかCIAのウェブサイトにHTTPでアクセスしてもHTTPSにリダイレクトされるのですが、これはなにか意味があるのでしょうか。だからといって困ることは特にありませんが、特にSSLを使わなければならないような情報のやりとりがあるのでしょうか。ただページ右上に”Report Threats” (脅威を報告)という赤いボタンがあるのはちょっと気になりますが…