X-Men: Days of Future Past - WolverineMagnetoが強すぎませんか。

イギリスの老俳優Sir Patrick StewartSir Ian McKellen、私にとってはそれぞれJean-Luc PicardGandalf the Greyの役が思い浮かぶ、
大英帝国勲章を持つ二人は私生活でも非常に仲が良いようですが、この二人が共演する映画といえばX-Menシリーズでしょう。突然変異により特殊能力を持つミュータントが活躍するこのシリーズにおいて、PatrickとIanの二人はそれぞれのグループのリーダー、Professor XMagnetoとして登場しますが、この二人の存在の映画全体への影響は大きく、荒唐無稽なファンタジーに重みを与えているのは間違いないでしょう。

しかし最新作「X-MEN: フューチャー&パスト」にも二人は登場するものの、主な舞台は過去に戻ってしまうので、Professor XとMagnetoはそれぞれJames McAvoyMichael Fassbenderという若い二人により主に演じられることになります。ただし、これは前作「X-MEN ファースト・ジェネレーション」でも同じでした。

今回の物語はミュータントと人類の間で戦争となり、Sentinelという対ミュータントのロボット兵器によりミュータント狩りが行われる未来から始まります。ここではProfessor XとMagnetoが共に戦っていますが、彼らミュータントたちはこの戦争がそもそも始まらないよう、Kitty Prydeの力によりWolverineの精神を過去の本人に送り、若きProfessor XとMagnetoを導いてその発端となったMystiqueによる暗殺を食い止めようとする、というものです。
X-Men: Days of Future Past - Quicksilver
したがって、全般的に主人公となるのは今回もWolverineということになりますが、それを演じるのはもちろんこの役がすっかり定着しているHugh Jackmanです。その他のキャストも皆お馴染みの顔が揃っていて、CyclopsJames MarsdenFemke JanssenJean Greyらもカメオ出演しています。

今回面白かったのはEvan Petersが演じるQuicksilverの描写です。Magnetoの息子であるQuicksilverは音速で走ることができ、それに見合うスピードで思考することができるという能力の持ち主なのですが、そういう超人からは世界がどのようにみえるのか、という形でコミカルに描かれており、非常に楽しいシーンになっていました。彼はほんの一時的にしか関わってきませんが、このような能力を持っていたらそうそう危険な目に遭うこともなさそうです。

その他のシーンも非常に安定して楽しむことができるのですが、ちょっとまじめに考えると遺伝子の突然変異くらいこんな超自然的な能力が身についてしまうなんてことはありえません。しかしこれはあくまでファンタジーなので、「自分にもこんな能力があったら…」と夢想してみるのが本当の楽しみ方なのでしょう。 Professor Xのテレパシー、Wolverineの治癒力やQuicksilverのスピードもそれぞれ悩みがありそうなので、やっぱりMagnetoの金属を操る力をひっそりと使うくらいがいいでしょうか。