これもまた経験か。

日本では車検というものが当たり前のものとして、嫌々ながらも仕方なく受け入れられていると思いますが、こちらミシガン州には存在しません。どんなにオンボロであろうと、ヘッドライトが点かない状態で夜中に走るというような大きな危険がない限り、警察にも整備不良などといって咎められることはありません。したがって、フェンダーが外れてしまっていたり、バンパーの代わりに角材が取り付けられていたり、ボディー下部が錆びて穴だらけになっていたり、そんな状態の車を町中で見かけることも珍しくありません。

日本ではフロントガラスについては特に厳しくて、石跳ねでちょっとした傷が付いているだけでも車検を通らないからといって交換しなければならなかったりしますが、ミシガンの粗悪な道路では石跳ねも日常茶飯事ですし、ガラスに一直線にヒビが入って真っ二つになっていたとしても交換しなければならないということはありません。

実は私の車も昨年末の旅行から帰ってきてみたら運転席側の目よりもちょっと高いところに、端から4cmほどのヒビが入っているのを見つけました。その後、温度の振幅が原因なのか走行時の振動なのかわかりませんが、ちょっとずつヒビは成長していって、半年で30cmほどにまでなってしまいました。まあそのまま放っておいても運転には全く支障はないのですが、どうせ駐在期間を終えて車を手放す時には治っていないと査定が下がってしまうので、今のうちにと直してしまうことにしました。

日本ではフロントガラスの交換というと一大事といった感じですが、こちらではやはり大したことは無いようで、やると決めてからはあっという間に済んでしまいました。まず、修理会社のウェブサイトで見積もりをして、そのまま修理の予約を申し込みます。そうすると1分もしないうちに電話がかかってきて、その場で在庫の確認と施工の手配をしてくれます。出張サービスも無料ということでしたが、勤務先に来てもらうのもためらわれたので私が工場へ出向くことにしました。結局、施工は申し込みの翌日です。

施工自体も簡単なもので、作業は45分程度で済んでしまい、その後接着剤が硬化するまでさらに45分ほど待てばもう高速を走ろうが問題ないとのことでした。硬化するまでの間も近くのコーヒーショップへ行くくらいなら問題ないということだったので、最寄りのスターバックスへ移動して時間を潰し、すべてが終わってしまいました。費用の方は税金込みで$300少々といったところで、保険を使うまでもない額です。もともとガラスの定価は$700以上するようなのですが、謎のディスカウントでずいぶん安くなっており、作業も1人で出来てしまうようで工賃もわずか$50でした。

調べてみると日本でも同程度の料金でできるところもあるようですが、純正ガラスは中国製などなので品質の良い国産社外品をお勧め、なんていう微妙なことを言っているのがちょっと面白いですね。どっちもどっちのような気もするのですが。