View-Master革命的進歩。

私は左右の視力が違ういわゆるガチャ目なのが原因なのか何なのか、昔からランダム・ドット・ステレオグラムの類に成功したことがありません。またそれに関連するのかどうなのかもわかりませんが、3D映画なども自然に見ることが出来ず、あまり好きではありません。このため、3D画像の技術についても関心は高くない方なのですが、一方でGoogleの技術には関心を持ち続けているので、Google Cardboardにはちょっと惹かれるものがありました。

Googleの作ったものが段ボール製であることから英語でボール紙を意味するCardboardという名前が付いていますが、これはデバイスの名前であり技術の名前でもあります。ダンボールを折って作る本体に2つのレンズを取り付けて、対応するアプリケーションをインストールして起動したスマートフォンを組み込んで覗き込むと、立体画像のバーチャルリアリティを体験できるというものです。スマートフォンは画面を2分割して左右の目に対応して視差を付けた画像を表示することで立体視が可能となり、スマートフォンに内蔵された加速度センサーにより頭の動きに合わせて画像も動くというわけです。

私も一度体験してみたいということで調べてみると、このGoogle Cardboardに対応したデバイスはいくつもあって、Googleのものと同様の段ボール製のものから樹脂製のしっかりしたものまでいろいろなタイプのものがあります。見た目がかっこいいのはVR ONE GXというZeissの製品ですが、アメリカ国外への発送が行われていないようなのと、現在バックオーダーとなっていること、さらに$120と高価なので諦めます。その次に見てみたのは玩具メーカーMattelView-Masterですが、これがしっかりしていそうな割に日本への送料込みでも$30以下でAmazonで購入できたので、これを試してみることにしました(下記は日本のアマゾンなので割高ですが、すぐに届くはずです)。

Mattel マテル ビューマスターヴァーチャルリアリティスターターパック View-Master Virtual Reality Starter Pack[並行輸入]

もともとView-Masterというのは70年以上前からある玩具のステレオ写真ビューアで、スライド写真が埋め込まれたディスクを本体に差し込んで覗きこむというものでした。これを現代の技術で再発明したのが今売られている最新のView-Masterということになります。さすがに玩具なので子供が多少手荒に扱っても問題ないようにしっかりした作りになっており、値段の割に上質感があります。

iPhoneをケースから取り外さないと装着できないのが面倒ですが、Cardboardアプリをインストールして起動し、View-Masterの内部にあるQRコードを読ませるとビューアの機種が識別されます。この状態でiPhoneをビューア内部に装着し、カバーを閉めて覗き込むともうバーチャルリアリティを楽しむことが出来ます。アプリの操作には入力用のレバーが1つあって、頭の向きでカーソルを合わせてレバーを動かすとクリックできるという仕組みです。

Cardboardアプリでできるのはあくまでデモのレベルのものですが、それでも頭を動かすと画面がそれに追従するというのはなかなか新鮮な体験です。他にもCardboardに対応したアプリはいくつも公開されているので、いろいろ試して遊んでみると良いと思います。ただ、AndroidではYouTubeアプリがCardboardに対応しているらしく、これで立体動画を楽しむことができるようなのですが、iOS版は対応時期未定なので早く対応してほしいところです。

ということで、今のところ実用的な使い方は見つけることが出来ていませんが、非常に可能性を感じさせる技術だと思います。Oculus Riftではさらに凄い世界を体験できそうですが、このCardboardでも新しい世界を垣間見るには手頃でいいのではないでしょうか。