Dead Pool自分の子供と一緒には観られません。

数いるマーベルヒーローの中でもアメリカでは人気があるのに日本ではあまり知られていないのがDeadpoolで、超人的能力としてWolverineから血清を移植されて受け継いだ驚異的な治癒力と不死性を持つ戦闘と暗殺の達人です。ヒーローらしからぬ性質からこれまで映画化もされていませんでしたが、ついにそれができて非常に好評なようだったので、日本での公開3日目の昨日、その名も「デッドプール」を観てきました。

この作品はDeadpoolがどのようにして誕生したのかという自己紹介的なものになっていますが、 単純に時系列を追ってストーリーが進むのではなく、戦いのさなかにDeadpoolが観客に語りかけるように経緯を説明するような形になっていて、ダラダラしてしまうようなことがありませんでした。コミックでもDeadpoolは 第四の壁を破ることができる、つまり自分が物語の登場人物だということを認識しているというのも特徴としていて、それをそのまま映画でも実現しているということになります。
Deadpool: Wade and Vanessa
DeadpoolことWade Wilsonを演じているのはこれまでに様々な作品でヒーローを演じてきたRyan Reynoldsです。Deadpoolになってからはほとんどマスクを被りっぱなしなので代役が演じていてもわからないかもしれませんが、姿勢やしぐさからなんとなくWadeであると認識できるような気がしました。

今作でのヒロインはWadeのガールフレンドであるVanessa Carlysleです。どうやらVanessaもスーパーヒーローの一人のようなものの、この作品ではまだ普通の女性で、Morena Baccarinが演じているのですが、このVanessaが素晴らしいです。これほど魅力的なヒロインは久しぶりに見たような気がしますが、特に最初に登場した時のショートヘアが良いのと、後のシーンでの献身的な表情もとても良いです。

この作品のもう一つの特徴は全編にわたって他の作品のパロディやオマージュをこれでもかというほど散りばめていることで、とてもではありませんが1回観てすべてを把握できるようなものではありません。私は訳あってもう1回観ることになっているのですが、それでも退屈してしまうことはなさそうです。もう1回Vanessaに会えると思うとそれだけでも楽しみですが、他にもアクションシーンでのDeadpoolのトリッキーな動きやユニークな演出など、もう一度観てみたいものはいくつもあります。1回観てもそんななのですから、これからという人にはぜひお勧めしたいと思いますが、ちょっとグロテスクな映像とエッチなシーン、シモネタも満載なので苦手な人はご注意ください。