10 Cloverfield Lane - Mary Elizabeth Winstead as Michelleこの展開は読めません。

今から8年ほど前に公開された「クローバーフィールド HAKAISHA」という映画は、全編ハンディカメラによる撮影で非常に現実味のある演出となっていたことなどで大きな話題になりました。その後続編の制作も噂になっては消えていくということを何度か繰り返していましたが、このたび公開に至ったのが「10 クローバーフィールド・レーン」という作品です。前作はとても面白かったものの続編となるとどうかな、と思っていたのですが、Rotten TomatoesTomatometerが90%というのを見て「これは観ずにはいられない」と公開初日の昨日映画館へ行ってきました。

前作の舞台はアメリカ東海岸のニューヨークでしたが、今回は最後に直進するとバトンルージュ、左折するとヒューストンという交差点が出てくるので、テキサス州ルイジアナ州の州境付近、メキシコ湾沿岸が舞台となっているのではないかと思われます。主人公のMichelleはラジオで大規模な停電を伝えているのを聞きながらこのアメリカ南部の田舎町を走っている時、かかってくる電話に気を取られた瞬間に車は突然衝突され気を失います。そして意識を取り戻した時には窓のない部屋に繋がれて閉じ込められた状態で点滴を受けている、という絶望的な状況に置かれているのでした。

もともと超低予算映画として書かれた脚本が元になっているらしく、主な登場人物はMichelleの他にHowardとEmmettの3人のみ、この他に画面に映るのも数人だけとなっています。心理的にも厳しい閉鎖的な環境の中で3人により展開されるドラマが続くので、一体この作品は本当に「クローバーフィールド」の続編なのか、これはモンスターパニック映画ではないのか、と見ている方も不安になってしまい、この先どうなるのかが全く読めません。

終盤には大きな展開が見られるのですが、それがこの作品のクライマックスというわけではないように思います。そこまでの話の流れからすると唐突ですが、しかしそれはMichelleにとっても同じです。振り返ってみると、Michelleが気を失っていた間に何が起こったのかは全く描かれていないため観客にもわからず、Michelleと状況を共有しているとも言えるのではないでしょうか。それがこの作品のよく出来ているところなのかもしれません。

ということで、前作との関連性はあるもののストーリーとしての直接の繋がりはないので、前作を見ていなくても全く問題ありません。むしろ「タイトルこそが唯一のネタバレ」と言われているくらい、どういう状況なのかはなんとなくわかっていてもそこにどう繋がるのかわからず、終盤の流れは予想できないのではないでしょうか。ちなみに、ほとんどホラー映画と言ってもおかしくないこの作品ですが、PG-13なので直接的にショッキングな描写はありません。しかし…