兵庫県の南西端、岡山県備前市と県境を接する瀬戸内海に面しているのが赤穂市ですが、赤穂といえば全国的に有名なのは忠臣蔵の赤穂浪士でしょう。といっても私は赤穂浪士も忠臣蔵も良く知らないのでゆかりの大石神社に行っても何の感慨もなく帰ってきてしまいました。
他に赤穂というと瀬戸内海式気候を活かして発展した塩田による天日塩の製造がありますが、今はその塩田跡が広大なソーラー発電所になってしまったりしていて悲しいものがあります。まあ単に敷地を利用しているだけでなく、日照時間の長さを活かしているわけなので適材適所と言えなくもないのですが、風情を完全にぶち壊しています。
そんな塩田で栄えた赤穂の銘菓といえば塩味饅頭です。塩味を利かせたこしあんを落雁に似た固めの皮で包んだまんじゅうで、私はその甘じょっぱさが割と好きなのですが、妻などは甘い物好きなはずなのにこれは「嫌い」といい切るほど好みが分かれるようです。
その塩味饅頭は赤穂市内のいくつもの業者が扱っているのですが、その中の一つで「しほみ饅頭」を売っている総本家かん川には最近人気商品として生しほみというものがあり、先日妻が赤穂に遊びに行ってきて、その土産として買ってきてくれました。
国産の餅米を使った柔らかな羽二重餅を蒸篭にて蒸しあげて、自慢の「しほみ餡」を包みました。しほみ饅頭と比べ、柔らかくもちもちとした食感と濃厚な餡が人気の秘密です。
とのことで、蒸しているのに生とはどういうことかと思わなくもないものの、焼いているのに生ドーナツというのと同じようなものかと矛を収めることにしました。塩味のこしあんの周りを薄いもちで包んだようなもので、結局言うなれば薄皮塩大福のようなものなので、美味しくないわけはないでしょう。かなりあんこの割合が高いので甘みが強く、小ぶりながら1個で満足感がありました。
なお、この「生しほみ」は総本家かん川というお店の商品ですが、非常によく似た名前のかん川本舗というお店もあるので注意が必要です。同じ「かん川」という名前なのはなにか繋がりがあるのかもしれませんが、総本家と本舗というのは大変紛らわしいのでなんとかしてほしいものです。私も今回調べるまで同じお店だと思っていましたし、そういう人は少なくないと思うので、お店のためにもならない気がしますが、まあ余計なお世話ですね。