伊根の舟屋で有名な京都府伊根町で、オーバーツーリズムが問題になっていると話題のようです。私が最後に訪れたのはもう7年も前で、その時はまだだいぶひっそりとしていて風情がありましたが、今は相当様子が変わってしまっているのでしょう。海のそばまで崖が迫っているところに民家が建ち並んでいるので、道幅が非常に狭くて車がすれ違うのもかなり困難だったと思いますが、自動車以外では行くことができないところなので、そんなところに観光客が押し寄せてしまうと大変なことになっているのではないでしょうか。
また、ただ人が多いだけならまだ我慢もできるのかもしれませんが、勝手に私有地や住居に立ち入ったり、ゴミを捨てたり、泳いだりする輩までいるということで、人が多くなると一定の割合でおかしな人も増えてきてしまうのが問題です。それをどうにかしようと思うと、警備員を巡回させるなどする必要が出てくるのかもしれませんが、それはそれで経費がかかることであり、それを住民側で負担しなければならないというのも納得し難いことでしょう。
しかし一方で、産業のない町を観光で盛り上げたいという町側の意向もあります。現状があるのも町の観光振興のための宣伝が功を奏して、さらに行き過ぎてしまったことによるものだと思うので、そのバランスはなかなか難しいものです。現代ではSNSで一旦「バズる」とそこに歯止めをかけるのはほぼ不可能で、際限なく観光客が押し寄せることになってしまいがちです。
今や日本中どこへ行っても外国人観光客の姿がありますが、バブルの頃までは逆に世界中どこでもメガネをかけてカメラを首からぶら下げた日本人観光客が行っていたのですから、それを忘れて「外国人が!」と言ってはダメでしょう。おかしな人がいるのは日本人でも外国人でも同じなのですから、それを何とかする策を考えたいところですが、今私が思いつく程度のことはとっくに考えているのでしょうね。具体的には上高地や尾瀬のようにマイカー規制などをしてもいいのではないかと思いますが。

