全日本写真連盟埼玉県本部が主催した第42回埼玉県写真サロンという写真コンテストで、最優秀賞を受賞した作品の受賞が取り消しとなる事態があったと話題になっています。その理由は「授賞後に外部からの指摘を受けて確認したところ、受賞者から「自身が制作していない作品を応募した」との説明がありました。」とされています。私は取り消しになる前の時点でXの投稿で知りましたが、二重の意味で「そんなことがあるのか」と驚かされるものです。

まず、この「作品」が他人が制作したものであるというだけでなく、フリー素材であるということです。Dreamstimeというウェブサイトで公開されていたもののようですが、急に話題になりすぎたせいか現在は公開が止められているようです。何しろ私が最初にアクセスした時の検索窓のデフォルト文字列が「frog sits pond dragonfly perched nose」となっていたほどです。しかし、同作者の類似の作品は現在でも公開されているようなので、間違いはなさそうです。

もう一つは、これが写真ですらなく、実際にはAI生成画像だったということです。私の目で見てもまず疑わしく感じる画像ですが、それは知っているからそう感じるだけなのでしょうか。もちろん実際にこういう写真を撮ることが全く不可能ということではないと思いますが、むしろAI生成の画像にはありそうなものに見えます。また、写真として最優秀賞になるほど素晴らしいものかといえば、確かに実際に撮ろうと思ったらそれだけ難しいということなのかと思えないこともありません。

この愚行を犯してしまった人の名前は調べれば簡単にわかりますが、一体何を思ってこんなことをしてしまったのでしょうか。インターネット上に公開されたらこんなものはあっという間にバレてしまうことです。写真家としてちょっとした地位についてしまっている人のようなので、焦りとプレッシャーに負けて魔が差したということかと思いますが、もうこれまでの名声も地に落ちてしまいますね。私はこういうコンテストには興味がありませんが、一応教訓としておきたいと思います。

また、このようなフリー素材のAI画像に最優秀賞を与えてしまうフォトコンテストも今後どうするのでしょうね。大先生の「作品」だったから疑いもしなかったということなのかもしれませんが、だとするとそれもまた酷い話で、そんな偏った、見る目のないコンテストに世の写真家は価値を見出せるものでしょうか。