辛そうで辛くない少し辛いラー油売り場は調味料のコーナーとは違うところでした。

インターネットが一般に普及し始めた頃から「これからは個人が情報を発信する時代」と言われてきて、ブログが流行したことで「マスコミよりもクチコミ」とばかりにブログ発の流行なども生まれるようになりました。しかし本当にブログの情報はクチコミと言えるのでしょうか。私のような個人が趣味でやっているようなブログはともかく、「アルファブロガー」などと言われるような人が運営している人気ブログは従来とはメディアが違うだけで、もはや立派なプロの仕事です。そうでなければ毎日いくつもの記事を書き上げることなどできるわけがありません。

マーケティングの世界でもこういう人気ブログ経由の「バイラルマーケティング」というものが重視されるようになってきていて、報道陣に交えてブロガーを発表会に招いたり、ブロガーを対象にイベントを開いたりということが行われるようになっています。もちろん私などはお招きに与ることがあるはずもないのですが、そんなことを僻むよりも企業からサンプリングを受けておきながらシレッと紹介記事を書いたりしていることが気に触って仕方がありません。これもひとつの僻みなのかもしれませんが、突然あちこちのブログで同じ商品が紹介されたり、評判の良くない映画をあちこちのブロガーが観に行ったりしているのを目にするとあまり良い気がしないものです。

そんなことは直接関係ないのですが、ちょっと前から急にブログで紹介されるようになったのが桃屋の「辛そうで辛くない少し辛いラー油」です。人気ブログで紹介されるだけで終わっていれば私も「またか」で終わるのですが、一般のブログでもあちこちで紹介されていましたし、なにより美味しそうだったので「私も食べてみてから文句があれば言うことにしよう」と買ってみることにしました。しかし、発売直後に品薄状態が続いていたりということもあってか、あるいは単に田舎だからなのかわかりませんが、なかなかその辺のスーパーでは売られていません。スーパーを覗くごとに探してみてもなかなか見つからなかったのですが、ちょっと大きなショッピングセンター内のスーパーでやっと見つけることができました。

そう簡単には買えないということで一度に2個買ってしまったのですが、実は1瓶400円ほどもします。たかがラー油かと思うとどうしてそんなにするのかと思ってしまいますが、ブログでは皆絶賛していますし、入っているものを見ると美味しくないはずがありません。

厳選したなたね油とごま油と、色合いの良い粗挽き唐辛子で抽出した鮮やかな色のラー油に、香ばしいフライドガーリックとフライドオニオンをたっぷり加えました。そのまま食べる事もできる、旨さと食感を楽しむラー油です。

と紹介されている通り、瓶の中を見るとフライドガーリックとフライドオニオンがぎっしり詰まっていて、液体分はそれほど多くありません。「ラー油」というよりは「ラー油漬け」というくらいの感じです。とりあえずご飯にちょこっと載せて食べてみるとガーリックとオニオンのカリッとした食感と味わいがたまらずご飯がどんどん進みそうです。

また、納豆にラー油を掛けて食べるのにハマっているというのは以前書きましたが、普通のラー油でも美味しいのにこのラー油(と具)を混ぜて食べて美味しくないはずがありません。ティースプーンひとさじを混ぜると、納豆の中にカリカリとした具が感じられてまた別の食べ物のようです。これもまたたまりません。

しかし、実はちょっとした問題があります。それは商品名で言っている通り「辛そうで辛くない」ということで、見た目は鮮やかな赤なのでいかにも辛そうなのにちょっとピリっとする程度だったりするのです。次男がまだ辛いものを食べられないため我が家の麻婆豆腐は全く辛くないので、試しにこのラー油を掛けてみたのですが、表面が真っ赤に染まるほど混ぜてみても大して辛くなりません。そのままあんまり混ぜると今度は油っぽくなってしまうのであるところで妥協しましたが、ラー油でありながら辛さを求めるには使えないのです。ご飯に載せるにしても調子に乗ってたくさん載せてしまうと、辛くなる前に油がきつくなってしまうので気をつけないといけません。

まあ「辛そうで辛くない」と言われてしまっているので仕方がないのですが、私としてはもうちょっと辛い「辛そうでやっぱり辛いラー油」というのを…いや、それでは普通のラー油ですね。