食わず嫌いはやめます。
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怒涛の長澤まさみ週間が続いていますが、今度は言わずとしれた大ヒット作、長澤まさみの出世作である「世界の中心で、愛をさけぶ」をようやく見ることにしました。2004年公開ということで今から15年前の作品、長澤まさみは現役高校生だったということになりますが、初々しさはありながらも迫真の演技で、高く評価されたというのもよく分かります。

世界の中心で、愛をさけぶ
(2013-11-26)
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公開当時は映画館の外まで行列ができるほどのヒットだったようですが、天の邪鬼な私はあえて目を背けてしまっていたのを今になって後悔しています。本作は大沢たかお柴咲コウの二人が主演とされているようですが、それは俳優としての格からそういう事になっているだけで、実際には大沢たかおが演じる松本朔太郎の高校生時代を演じる森山未來と、当時親しかった広瀬亜紀役の長澤まさみが描く甘酸っぱく切ない物語が話の中心であることは間違いないでしょう。

ストーリーについては私ですらなんとなくわかっていたのですから、今さらネタバレも何もないでしょうが、高校時代に白血病で恋人を亡くしてそれを引きずる朔太郎が、大人になってその思いに終止符を打つという話ですね。朔太郎と亜紀とはカセットテープでメッセージを伝えあうというとても素敵なことをしていたため、そのテープを聞きながら当時に思いを馳せるというのが本作の中心になっています。では、柴咲コウが演じる律子というのは誰なのか、ただ朔太郎の婚約者というだけではないだろうと思いながら観ていて、終盤にその謎が解けることになりました。

さすがに興行収入85億円、観客動員数620万人という大ヒットになっただけのことはあり、非常に感動的な物語でした。亜紀を亡くしたときに朔太郎に押し寄せた感情の波は、私にも到底受け止められるようなものではないでしょう。これはぜひ原作も読んで、噛み締めてみたいものだと思います。長澤まさみは本作で日本アカデミー賞助演女優賞を史上最年少で受賞したとのことですが、それに値する印象的な演技だったと思います。可愛いだけではないのです。

なお、森山未來と長澤まさみというコンビは先日観た「モテキ」で共演した二人ですが、本作の時と比べると二人ともずいぶん成長したというか、変わったものですね。たった7年で、とも思いますが、その7年の経験は大きいのでしょう。