まだまだいけるかも!?

10年ほど前までは若者の冬の楽しみといえば何といってもスキー、スノーボードが定番だったのに、最近は娯楽も多様化してゲレンデにもかつての賑わいが無くなっているという話ですが、映画「私をスキーに連れてって」に煽られて日本中がスキーに行かなければおかしいかのような感覚になっていたあの頃は一体何だったのでしょうか。そういう私はかの映画をまだ観ていないわけですが、それでも冬の間は渋滞する道路をものともせず足繁くゲレンデに通って、リフト待ちの行列にもめげず朝から日が暮れるまで混雑するバーンで滑り続け、くたくたになった身体を温泉で休めるというようなことを当たり前のようにやっていたものです。まあ若かった当時はそれはそれで楽しかったのでいいのですが、とてもではありませんが今はそんなことは想像するだけでうんざりです。

と言いつつ、我が家の子供達にもスキーの楽しさは経験させてやりたいということで、昨日は兵庫県北部、鳥取県との県境も近い「若杉高原大屋スキー場」に我が家4人に義弟を加えた5人で遊びに行ってきました。既に3月に入っているのでこのあたりでは道路の雪の心配はほとんど無いのですが、もしもの場合にスタッドレスでもなくチェーンもない私の車ではどうしようもなくなってしまうので、スタッドレス付きの義妹の実家の車を借りてもらったということと、スキー場で働いていた経験がありスキーが上手いということで義弟と一緒に行ったのでした。また、私はスノーボードで滑りたかったのですが、そうすると子供の面倒は見にくくなりますので、うちの子らがよくなついている義弟が一緒に来てくれると非常に助かったりもします。

このスキー場を選んだのは義弟宅から方向的に近いということと、夏場はグラススキーもやっているらしく割と通好みらしいということ、そしてペアリフトが1本、シングルリフトが2本という非常にこぢんまりとしたスペースながら、上級者向きの比較的急な斜面やコブ斜面から子供達がソリで遊ぶこともできるファミリーゲレンデまでバランスよく構成されているというゲレンデが良さそうだったためです。県内にはもっと人気のあるゲレンデがいくつもありますが、元々そんなにバリバリ滑るつもりはなく、私はリフトに2,3回も乗れば足が疲れて動かなくなってしまうのではないかということでこれで十分だと思っていたのです。

家族は先月私が東京に行っている間に1回滑りに行っていたのですが、私自身は今回が3年ぶりのゲレンデでした。その前回は私も3歳若くて今より体力があったはずなのにすぐに疲れてしまっていたので今回はそれに拍車を掛けて…ということかと思っていたのですが、実はそうでもなかったので自分でも結構驚いています。リフト2本分滑ったところで何となく勘を取り戻し、だんだん楽しくなってきました。そして徐々にカービングで大きなターンや小刻みな切り返しも決まるようになってきて、脚力が落ちているのでピーク時の粘りはなくなっているのですぐにエッジが外れて転けてしまうものの、これだけ滑れれば楽しいというレベルに回復することができて満足です。

このスキー場はだいぶ前からリフト券の電子化が進められていたのですが、そのためリフト券は1日券の他に3時間券、4時間券という細かいものがあり、これらと回数券とでどれを買うべきかと迷ってしまいます。最初は前述の通り数回滑れば十分だろうと思っていたので回数券を1綴り買って分ければいいと考えていたのですが、もしもこれで足りなかった場合には下手すると3時間家、4時間券の方が割安ということになってしまいます。また、4時間券の場合は昼食の時間帯にかかったりするともったいない、ということもあってなかなか迷いどころではないでしょうか。結局私たちは自由度の高い回数券を買い、その後やっぱり足りなくてもう1綴り購入したのですが、長男も数回連れて乗ることができたので結果的にはこれで正解だったようです。

朝9時頃にゲレンデに着いたときにはあまりに空いているので「週末にこれで大丈夫なのだろうか」と余計な心配をしてしまったものですが、その後10時を過ぎると徐々に人が増えてきて、昼過ぎには適度な賑わいになりました。都市部から近く交通の便もいいので皆出足がのんびりとしているのかもしれません。私たちが帰り支度をしていた2時過ぎにこれから滑ろうとしている人も来たりしていましたが、こうして気軽に楽しむのが本来のレジャーというものではないかという気がしました。何かの熱に浮かされたように、強迫観念を伴う遊びなんて今思えば異常ですよね。