わたしの旅に何をする。食傷気味かとは思いますが…

すっかりタマキングフリークと化したわたしが次に読んだのは、月刊誌「旅行人」に連載されていた1996年から4年間のエッセイをまとめたという、「わたしの旅に何をする。」です。

わたしの旅に何をする。
著:宮田 珠己
旅行人 (2000/05)
ISBN/ASIN:4947702281

この時期は著者の宮田氏にとっては10年弱にわたる会社勤めをやめて、著述業での再出発を始めた頃であり、本人にとっても大きな環境の変化があったのではないかと思われます。が、本書ではそれについてさほど大きくは取り上げられておらず、3部構成のうち第1部が会社員時代となっていて、その最後に退職時のいきさつについて述べられているに留まっています。まあそういったプライバシーについては人に読ませるものでもないでしょうから、そんなものなのでしょう。

元々が雑誌の連載なので、数ページずつのエピソードはそれぞれ独立しており、基本的に旅にまつわる出来事が述べられていて軽く読むことができますが、その内容についてはただの旅好きな人の体験では済まされないものがあり、やはり面白いものでした。普通の旅行が趣味という程度の人はチベットで鳥葬を見たり、遊園地が無料だからとブルネイまでわざわざ行ったりはしないでしょう。私にとって鳥葬なんて子供の頃にテレビで知って驚愕したくらいのものです。まあそれほどのものだからこそ面白いのであって、ただ普通にどこかへ行ってきましたというだけではその辺のブログと大差ありませんからね。

それにしてもこういう本を読んでいると私も旅に出たくなってきます。しかしながらこの歳になって家族もいるのにそんな危険なひとり旅などはできるはずもありませんので、せいぜい本を読んで私も冒険した気になるくらいしかないでしょう。本を読んで知っているのと実体験しているのとでは天地の差でしょうが、面白ければいいとも言えるということにしておきます。ひとりで何でもかんでも体験できませんからね…