Google偉大な発明にも技術の裏付けが必要。

先日日本でも提供が始まったGoogle Street Viewには賛否両論で、私も最初に使ってみたときには「凄い!」と思う反面、実家の玄関などがバッチリ見えてしまったりするのは正直怖いとも感じました。私の自宅のあたりはまだ当面対象範囲にはならないのではないかと思いますが、まあマンションなのでたとえ撮影に来たとしてもそれほど気にはならないかとは思います。

このサービスについて否定派はプライバシーを主に問題としているようですが、Googleの言い分通りあくまで公道から撮影しているものであり、問題のある画像はすぐに削除しているということで、これ以上は法的な問題は問いにくく、企業倫理に訴える以外はないのかもしれません。「空き巣の下見が楽になる」という意見も目にしましたが、あくまで楽になるというだけで不可能なものが可能になるわけではなく、これも説得力に欠けます。

私としてはこのサービスは画期的で技術的にも優れたものの成果であるとは思うものの、何ら実用的なものとは思えないところがどうなのかと、単に興味本位で遊ぶだけのものではないかということで、実は長続きするものではないかもしれないと思っていますがどうなるでしょうか。

ところで先日、友人Twitter呟いているのを見て気になっていた「Googleを支える技術」という本を読みました。

この本はGoogleが提供する様々なサービスの裏側にある技術について解説するものです。大きく分けると3部構成になっていますが、最初はGoogleの基本サービスである検索の仕組み、次に巨大化したシステムのソフトウェア的な構造、最後にそれを支えるハードウェア面ということになっています。中盤のソフトウェアの解説については甚だ専門的な知識を必要とする一般の方には難解なものになっているかと思いますが、それ以外の部分はさほど予備知識がなくても理解できるようまとめられているのではないでしょうか。

ちょっと考えてみれば、検索一つとっても日本の自宅のPCで検索語を入力してからわずか1秒ほどで世界中のウェブページの中から関連するページを表示してくれるというのは相当な技術の賜のはずです。さらにそれだけでなく、同様のシステムの上にStreet ViewやGoogle Earthのような膨大なデータを取り出すようなサービスも構築されているのですが、これまで私には一体どうなっているのか想像もできませんでした。

とはいえ、規模の違いこそあれに多様なサービスを提供している企業は他にもあるわけで、それぞれ独自の手法を積み重ねて実現しているのではないでしょうか。それらの企業間の構成の違いなども明らかになるとそれも非常に面白いのではないかと思いますが、さすがに難しいでしょうか。

それにしても電力というのはあまり意識していませんでしたが、Googleほどの規模になるとデータセンターの消費電力は莫大なものになるのですね。そのうちGoogleなら自前の発電所まで建てかねない…と思ってしまうのもあながち非現実的ではなさそうなこと自体凄いことですが。