WALL-E大人にこそ観てもらいたい。

私がいつも映画を見に行くワーナー・マイカル・シネマズでは、6回映画を観ると次に1回無料で観ることができる「シックスワンダフリー」というサービスをやっていて、それなりの頻度で映画を観る人にとっては嬉しいものなのですが、昨日「地球が静止する日」を観るための予約を済ませた後で気付いたのが、だいぶ前から貯まっていた1回分のポイントの有効期限が来年の1月2日に迫っているということでした。どうせタダで観られるなら1200円のレイトショーの時ではなくて昼間の1800円の時に使いたい、とケチな考えで使わずにいたのが裏目に出たわけですが、さすがにこれをそのまま流してしまうのはあまりにもったいない、ということで何とか年内にもう一度観に行かなければとなりました。

しかし年末には帰省もあるのでなかなか行く日もありませんし、どうしようかと思っていたところ、次男がテレビCMで観た「WALL-E/ウォーリー」を観に行きたいというので、2日続けてとなりましたが急遽今日連れて行くことにしました。長男の方は全く興味を示さず、妻も特に観たいとは思わないらしいので、今回は私と次男と二人だけです。

この作品はPIXARWalt Disneyという黄金コンビの製作によるもので、評判もかなり高いので私も以前から観たいと思っていたのですが、吹き替え版のみの上映となってしまっていたので何となく躊躇してしまい観ずにいたのでした。しかし実際に観てみると、主人公のロボットたちはほとんど喋りませんし、吹き替え自体にも違和感はなかったので全く問題はありません。

ストーリーについては今さらあえて説明するまでもないかと思いますが、ゴミが増えすぎて地球上に住めなくなった人間が宇宙に逃げ出した後、700年の歳月が経過してもただ一人生き残った(?)ゴミ整理ロボットのWALL-Eが孤独に黙々と作業を続ける日々を送っていると、ある日突然宇宙船がやってきて、美しい未来的なロボットを残して去っていき…という話です。このゴミに埋め尽くされた地上の風景はかなり酷いものであり得ませんし、700年を経てもなお稼働し続ける広告などの装置も現実的ではないのですが、そんな細かいことは気にしても仕方がありません。淡々と作業を続けながらもその合間に見つけたガラクタをコレクションに加えていくなどするその姿はとても生き生きとしていて、何とも可愛らしいものです。

ロボットが感情を持ち自立して生活しているということ自体も非現実的ですが、ロボットだということにこだわるからそういうことが気になるだけであって、これはあくまで童話などでよくある比喩のようなものだと思えばいいのでしょう。しかし非現実的であるにも関わらず、映像はとても「リアル」なので困ってしまいます。私が参ったのはビデオカメラなのであろうWALL-Eのつぶらな「瞳」で、本物のレンズ以上にきれいに光っています。

ところどころにわかる人にだけわかる仕掛けが織り込まれていてニヤリとしてしまうのですが、WALL-Eの満充電時と起動時に鳴る音がMacの聴き慣れた起動音だというのも何とも言えません。まあ、PIXARをDisneyに売ってDisneyの筆頭株主となったのは現Apple CEOであるSteve Jobsですから、「何の音を使おうか」となったらこうなるのが自然なのかもしれません。

ということで、私は評判通りの面白さで満足したのですが、やはり6歳児にはちょっと難しかったのと120分という上映時間が長すぎたのか、途中で飽きてしまって「早く終わって欲しい」などと言う始末でちょっとガッカリです。冒頭のショートムービーもなかなか面白くてよかったのですが、本編はやはりテーマからしても少々大人向けなのかもしれません。地球にいる間のシーンはテンポがよくて楽しかったのですが、確かに宇宙船でのシーンはやや間延びしていたような気もしますし、映像的にも地上のシーンの方が凝っていたように思います。結局、宇宙船の生活はそれだけ単調で退屈だ、ということなのかもしれませんが…