The Day the Earth Stood Stillここでも”We can change!”を連呼。

今年も残すところ10日を切り業務はすっかり年末進行な上に、飛石連休の合間ということで休暇を取る人も多く、全く仕事に熱が入らない今日でしたが、そういう時はさっさと仕事を切り上げてリフレッシュ…と自分に都合のいい私は早めに退社して映画を観に行くことにしました。この秋はどういうわけか観たい映画がなくて、というより観たい映画をいつも行くシネコンでは上映してくれなくて、今日はだいぶ久しぶりになってしまったのですが、今回観ることにしたのは「地球が静止する日」です。

先週公開のこの映画は主演のKeanu Reevesもプロモーションのために来日して話題になっていましたが、1951年の「地球の静止する日」という映画のリメイク版です。60年近く前の映画なので時代背景も大きく違い、第二次世界大戦後の冷戦まっただ中だった元の作品では平和をテーマに描かれていたそうですが、現代版は今風に環境がテーマになっています。邦題は「が」と「の」の一文字違い、現代は同じ”The Day the Earth Stood Still”ながらも、作品自体で同じなのは登場するエイリアンの名前とロボットだけのようですね。

エイリアンの押しつけがましいところにアメリカらしさを感じてしまい、なんとなく白けた目で見てしまったのですが、さすがに現代の作品らしく映像表現は高度なものになっています。この映像はロード・オブ・ザ・リングで名を上げたWETA Digitalの手によるもののようです。まああまりデジタル表現に頼りすぎるとアニメと何ら変わらなくなってしまいますし、もうCGを売りにする時代は終わったようにも思います。

エイリアンのKlaatu役で主演のKeanuのこういう無表情な役はマトリックスのNeoを彷彿とさせます。感情を表さない演技というのは一体何を演じているのか、パントマイムと何が違うのかと思ってしまいますが、終盤に微妙な感情が表れるところはその微妙さ加減が難しいのでしょう。

全体的にはSFの古典を現代の映像技術で作り直したようにしか感じられず、個人的には今一つといったところでした。あまりに露骨に「地球を大事にしよう」と言われているのがうるさく感じられたというのもあります。細々したところでは面白いところもあったのですが、期待が大きすぎたのかもしれません。

ちなみに、今回は上映前にドラゴンボールの実写版”Dragonball Evolution“の予告を観ることができました。巷の評判があまりに悪いのでどうなのかと思っていましたが、酷いと思うのはドラゴンボールを映画化したものだと思うからで、ドラゴンボールを素材にしただけの全く別の映画だと思えばこれはこれでアリなのではないでしょうか。まあ登場人物の名前はそのままなので、全く別とはなかなか思えないでしょうが…ドラゴンボールを知らない人の方が楽しめそうです。それではダメなような気もしますが。