Quantum of SolaceJames Bond完全復活

先行上映があるということを知ってから見に行くつもりだったものの、昨日は朝から忙しい一日だったのでやめようと思っていたのですが、ネットでの評判を見ると絶賛に近いものだったので我慢しきれず、結局レイトショーで観に行ってしまったのは007シリーズの最新作「007 慰めの報酬」です。同シリーズで日本語訳の題名が付くのは20年ぶりだということですが、”007″と付かなければどんな映画なのかさっぱりわかりませんね。

それはともかく、この映画は評判通りなかなかすごい映画でした。正統派のアクション映画としての007シリーズのファンであれば、間違いなく気に入るでしょう。前作「カジノ・ロワイヤル」からJames BondをDaniel Craigが演じるようになって、すっかり硬派な作品に様変わりしましたが、今回もキレのあるアクションはさらに磨きがかかり、冒頭のカーチェイスシーンからいきなりテンションが上がったまま最後まで飽きさせることがありません。

これまでに6人の俳優がJames Bondを演じてきた中で、Daniel以前は荒唐無稽なアクションとユーモアのある作品となっていて、本来のハードボイルドな原作からは離れてしまった結果、純粋なアクション映画としてはMission:Impossibleなどにお株を奪われるような形になってしまっていました。それは子供の頃から007ファンだった私には悲しい状態だったのですが、現在のDaniel Bondによってすっかり挽回してくれたのではないかと思います。

この作品は前作「カジノ・ロワイヤル」で愛するVesperを失った直後から始まり、Vesperを裏切った敵もVesperを救えなかった自分も許せない、という葛藤するJames Bondが主人公です。その感情を抑えられず、情報を得られるはずの人間を殺してしまったり、言うことを聞かないJamesをそれでも理解するMとの信頼関係なども見どころでしょうか。

またこの作品でもMicrosoft Surfaceのような、テーブル状のタッチパネルをスルスルと操作して情報を検索・表示するシステムが登場するのですが、最近は良く似たものを色々な映画で目にするようになりました。未来的なビジュアルが映画に映えるということなのでしょうが、そんなに都合良く必要な情報を選択できるのであれば、あえてタッチパネルにしなくても一瞬で一覧できるようになるのではないかという気がしてしまいます。まあ、映画なので見栄えが最重要項目だということはわかりますし、確かにカッコいいとは思うのですが…

ちなみに007といえば旬のアーティストを起用したゴージャスなタイトル曲というのも話題の一つかと思いますが、この作品ではJack WhiteAlicia KeysによるAnother Way to Dieという曲が使われています。この曲がまた非常にカッコ良くて、オープニングで高まった興奮を適度に抑えつつも緊張感があっていい感じです。ただ、このシリーズではいつものことのような気がしますが、歌詞を直訳して字幕で出さなくてもいいと思うんですけどね…

Another Way to Die
アーティスト:Jack White
J (2008/10/20)
ISBN/ASIN:B001HAWZDC

まあとにかく、とても面白かったです。前作の時も

私個人としては、シリーズ最高傑作であると断言したいところです。

なんて言っていましたが、今作の方がさらに上かもしれません。また、前作からは結構繋がりがあるので、先に前作を見直して置いた方がいいのではないでしょうか。私はすっかり忘れてしまってわからないところがあって先ほどTSUTAYAでレンタルしてきましたので、これから復習しておきたいと思います。