The Cat's Meow人は悩まずにはいられないものなのか。

私はいつもレンタルDVDを借りるときには出勤時に寄れば開店前に返せるので当日料金で済むという理由で職場近くのTSUTAYAを利用しているのですが、ある程度以上古かったりマイナーな映画はどの店舗にもあるというわけではありません。「エリザベスタウン」を観てすっかりファンになってしまった私はKirsten Dunstの出演作を観漁っているのですが、芸歴の長い彼女なのでちょっと古い作品になるといつものTSUTAYAには無かったり、そもそも日本では未公開だったりDVD化されていなかったりと、全てを観尽くそうというのはなかなか苦難の道となっています。

最近はTSUTAYAにも使いやすい自動検索機が設置されていて便利になったのですが、昨日ちょっと思い立っていつもとは別の店舗にいって検索してみたところ、以前から探していた「ブロンドと柩の謎」の在庫があることがわかりました。といいながら今調べてみて知ったのですが、TSUTAYA onlineでレンタルの在庫も検索することができたのですね。先に調べてみれば良かったですが、これからは楽になりそうです。まあそれはともかく、この「ブロンドと柩の謎」を借りてきて早速観てみました。

【レンタル専用版】ブロンドと棺の謎 [DVD]
主演:キルスティン・ダンスト/エドワード・ハーマン/エディ・イザード
Blowout Japan (2008/07/01)
ISBN/ASIN:B0000V4Q3Q

この作品は20世紀初頭の新聞王”WR”ことWilliam Randolph Hearstがハリウッドの著名人らを自分のボートに招いた際、船上で起こったという実際の事件を題材にしたものです。一応ジャンルはミステリーということになっているようなのですが、事実が元になっているだけに誰が死んでしまうのかということはわかっていて、また物語も謎解きではなくどうしてそういうことになったのかという背景を順に追うような形になっているので、どちらかというと人間ドラマとして楽しむべきなのではないかと思います。

実に淡々としたペースで描かれていてあまり盛り上がりもないので私も何となく観てしまいましたが、ほぼ全編にわたって舞台となっている船内の設備や衣装などの美術は素晴らしいもので、100年近くも前の本物の映像を観ているかのようでした。当時の成功者の現実離れした栄華とその裏にある虚しさをうまく描き出しているのではないでしょうか。

登場人物はHearstの他、Kirstenが演じるHearstの愛人Marion DaviesCharles Chaplinその他実在の人物ばかりのようなのですが、正直なところ私はその誰についても予備知識がなかったので誰が誰なのかさっぱりわかりませんでした。もちろんChaplinのことは知らないわけではありませんが、彼の作品もまともに観たことはないので似ているのかどうかも何とも言えません。

それにしてもこの作品でもKirstenは素敵です。まさしくこの物語の鍵となる役なのですが、実に魅力的で華のある存在を演じきっていて、彼女でなければ他の誰が演じられるのだろうといったパーフェクトな演技…というのは言い過ぎかもしれませんが、ファンである私がひいき目に見てしまうのは仕方がないので許してください。まあ自分でもKirstenのどこが好きなのかよくわからないのですが。

と言って結んでしまうとKirstenのファンでないと楽しめないかのようですが、決してそんなことはありません。Kirstenはあくまで中心的人物の一人でしかなく、主題はちゃんと別のところにあります。Amazonでもレンタル版のDVDしか扱われていないようなマイナー作品ですが、たまにはこういう映画も落ち着いて観られていいのではないかと思いました。