Wolverineもしかして: wolverine

もともとアメリカでは人気のあったMarvelのシリーズ作品”X-Men“も、以前は日本での知名度は低く一般的ではありませんでしたが、2000年公開の実写映画のヒットで広く知られるようになりました。この映画は近年のアメコミ実写化ブームの先駆けとなった作品ですが、その後映画でもシリーズ化を重ね、もはやコミックの実写化ということを意識させない独立した作品群として定着してきたのではないでしょうか。

数多くのミュータントのヒーローが登場するこのシリーズにおいて、誰か一人を代表にあげるとすればそれはやはりWolverineでしょう。驚異的な再生能力を持つ不死身の肉体が彼のミュータントとしての能力ということになりますが、もう一つ特徴的で強力な武器となっているのは拳から飛び出す3本の「爪」です。アダマンチウムという特殊な金属でできたこの爪はアダマンチウム以外のいかなるものも切り裂いてしまい、また爪だけでなく前身の骨格がアダマンチウムに置き換えられているということですが、さすがに生まれながらにしてそんなものを備えていたわけではありません。ではどうしてそんなことになったのか、というX-Men加入前のWolverineを中心に描いた前日譚「ウルヴァリン: X-MEN ZERO」を公開初日の昨夜、観てきました。

物語は1845年のカナダから始まり、その後冒頭は2度の世界大戦などのシーンが織り込まれていているのですが、ほとんど台詞もなくうまい具合に端折られているので、テンポよく時間が流れて100年以上の歳月が流れてしまいます。しかしそれでいてWolverineが非常に長い人生を過ごし様々な経験を積んでいるのだということがわかるので、この導入部分はとても良いのではないかと思いました。

コミック版を読んだことのない私にとってWolverineといえばHugh Jackmanの演じる姿しかないわけですが、もちろんこの作品でもHughが演じています。目尻の深いシワのせいで老けて見えてしまいますが、私と2,3歳しか違わないのだと知ってちょっとショックです。またWolverineのパートナーとなるSilver Fox役のLynn Collinsもまさか20代とは思わなかったので、欧米人の歳は全くわかりません。日本人が子供っぽく見られるというのも無理はありませんね。

ところで、この作品にもWolverineの他、SabreoothDeadpoolWraithGambitAgent Zeroなどなど数多くのミュータントが登場し、若き日のCyclopsも凄まじい威力を披露しています。しかし、DeadpoolやAgent Zeroの場合は技が凄いのはわかりますが、もともと備えている能力が何なのかは不明確ですね。まあ、ミュータントにも色々いるということで、これだけバラエティ豊かなミュータントを生み出す原作者らには恐れ入るばかりです。

ちなみにテレポーテーション能力を持つWraithの役は、Black Eyed Peasの中心人物であるwill.i.amが映画初出演で演じています。なかなかユニークで存在感のある演技で、カウボーイハットもwill自身のトレードマークなのではないかと勘違いするくらいよく似合っていました。あまり個性的すぎても役を選ぶことになってしまい難しそうですが、今後も本格的に俳優としても活動していくつもりなのでしょうか。