P.S. I Love Youアイルランドに行ってみたくなります。

E-mailでももらえれば嬉しいものですが、肉筆の手紙ならそのうれしさもまたひとしおですよね。私も最近は筆無精になってしまって手紙はおろかE-mailですら億劫がってしまうのは反省しなければと思っています。しかしその手紙が、もしも亡くなったはずの最愛の人から届いたとしたらどうでしょう? 当然驚き戸惑うことでしょうが、悲しみに打ちひしがれているところであれば大きな力になってくれるかもしれません。あるいは現実に向き合うことができなくなってしまうかもしれないという諸刃の剣ですが、これを主題とした映画「P.S.アイラヴユー」を観てみました。

P.S.アイラヴユー プレミアム・エディション [DVD]
監督:リチャード・ラグラヴェネーズ
ジェネオン エンタテインメント (2009/03/25)
ISBN/ASIN:B001Q2HO32

若くして結ばれながらも貯蓄のために我慢の生活を続け、子供も作らずにいたHollyとGerryの夫婦でしたが、Hollyが30歳の誕生日を迎える前にGerryは脳腫瘍で亡くなってしまいます。しかし、悲嘆に暮れ引きこもりとなってしまうHollyの誕生日、死んだはずのGerryから手紙の添えられたバースデーケーキが届き、その翌日から度々届く手紙によってHollyは徐々に立ち直り、自分の人生に向き合うことができるようになる…そんな話です。

しかしこの話、泣かせるストーリーではあるのかもしれませんが、映画としては感動の物語というよりはハートウォーミング・コメディとして作られていて、微笑みながら観ることのできる楽しい作品になっているのではないかと思います。それは亡くなった夫であるGerryの人柄と、そのGerryの出身地であり、また原作者Cecelia Ahernの出身地でもあるアイルランドの土地柄がそう感じさせるものなのかもしれません。また、Hollyの周りにいる友人や実母、義父母の優しさが感じられる、暖かい作品でもあります。

主役のHollyを演じるのはHilary Swankなのですが、この人はスタイルは良いのですがちょっとゴツゴツした顔で、あまり可愛らしい感じではないのですよね。まあそれでもGerryとの出会いのシーンでのHollyはキュートに感じられるのですが…一方、Gerryの方はアイルランド人の血の混じるスコットランド人、Gerard Butlerが演じていますが、こちらはピタリと役にはまった優男です。グラスゴー大で法律を学び最優秀の成績で卒業、という秀才ですから、演技の方でも頭が良く回るのではないでしょうか。ユーモアと色気があって、いかにもモテそうです。

2ちゃんねるのスレッドを見てみるとどうも評価は2分されるようですが、この映画がつまらなかったという人は物語の表面、映像として描かれていることしか見ることができないのではないかと思えました。他のどのような作品でも、直接的には描かれていないようなことを色々考えながら、文章でいえば「行間を読む」ことによって本当の感動が得られるのではないかと思うのですが、ひょっとすると本を読むことに慣れていない人にはそういう想像力が備わっていないのでしょうか。

まあ人に感動を押し付けるようなつもりはないのですが、逆に自分に良さがわからなかったからといって「つまらなかった」と駄作の烙印を押してしまうというのは気持ちのいいものではありませんね。なんでも素直に楽しむことができた方が人生もきっと充実したものになるのではないかと思います。映画とは全然関係ない話になってしまいましたが。