Underworld: Rise of the Lycans関係が複雑すぎて復習が必要かも…

このところネタ切れ気味でアニメの実写化や過去の作品のリメイクが目立つような気がするハリウッド映画ですが、どういうわけか根強い人気があるのが吸血鬼ものです。人間の血を糧とし、不死の身体を持つが日光に当たると死んでしまうという、どうにも荒唐無稽なファンタジーですが、不老長寿であるということで歴史を絡めて描かれたりもするのでなかなか奥の深い話になっていることもあるのも人気の一因でしょうか。

この吸血鬼の宿敵とされているのはいわゆる狼男、人狼なのですが、どうして吸血鬼一族と人狼とが対立し戦争状態に陥ったのか、という「ことの始まり」を描いたのが映画「アンダーワールド」シリーズの第3作、「アンダーワールド・ビギンズ」です。邦題は味も素っ気もないものですが、原題も”Underworld: Rise of the Lycans”、「ライカンの蜂起」というそのままのタイトルになっています。ライカンというのは人狼の一族のことです。

アンダーワールド ビギンズ コレクターズ・エディション [DVD]
監督:パトリック・タトポロス
ソニー・ピクチャーズエンタテインメント (2009/08/05)
ISBN/ASIN:B0029UVQA2

私はこの「アンダーワールド」シリーズが好きで、この3作目もぜひ映画館で観たいと思っていたのですが、残念ながら地元の映画館では上映されなかったので観ることができませんでした。ということは人気がないということなのでしょう。確かに日本人にはあまり馴染みのない世界観なので一般受けはしないのでしょう。アクションが売りの「ブレイド」シリーズや、恋愛ドラマが主題の「トワイライト」とは違い、このシリーズの場合はアクションもさることながら世界観に浸ることも求められますからね。

私がこのシリーズの過去の作品を好きだった理由の一つには、Kate Beckinsaleの演じるSeleneが魅力的だから、ということがあったのですが、この作品にSeleneはほとんど登場しません。その代わり、Seleneがうり二つとされているSonjaが主役となっているのですが、うり二つのはずなのにそれを演じるのはKateその人ではなく、Rhona Mitraです。確かに雰囲気はよく似ているのですが、やはり私はKateが良かった…なんてことはどうでもいいですね。

もう一人の主役、というより本当の主役はライカンの始祖であるLucianで、それを演じているのはMichael Sheenです。この人は3作全てに出ているので、本当に人狼なのではないかと思ってしまうくらいすっかり馴染んだものです。また存在感があるのはSonjaの父でもある3人の長老の一人、Viktorを演じるBill Nighyです。現在59歳という実年齢以上に貫禄がありますが、恐ろしく迫力のあるヴァンパイア像を作り上げています。

描かれているのが何百年も昔のことなので、戦いに使われる武器が古めかしい弓矢や投石機などですが、ダークな映像の中の戦闘シーンは控えめです。しかし、特に人狼側はろくに武器を持たず狼の姿で突っ込んでいくので、銃器であっさり片付いてしまう現代の戦闘よりも迫力のあるものになっています。まあ、アクションはこの作品の売りの一つではあるかも知れませんが、それがメインではなさそうです。

ということで色々書きましたが、やはり一般向けではないだろうな、というのが率直なところです。人間関係というか人物の関係が複雑に絡み合っていて、この作品だけではその全てが語られていないので過去の作品も観ていないと厳しそうなのです。私は一応全て観てはいるのですが、名前まではとても覚えておらず、わからないところがありました。もう一度1作目、2作目を見返してみると理解が深まってより楽しめるかもしれませんので、これから観るという人は事前に見ておくことをお勧めしたいと思います。独特の世界観を受け入れられるなら楽しめるはずですが…