Vancouver 2010楽しみにしている人も多いんでしょうね。

4年間ってあっという間ですね。トリノが終わってから4年も経ったなんて全く実感がありませんし、北京なんてついこの間だったような気がするのに、カナダはバンクーバーでの冬季オリンピックが開幕してしまいました。スキー競技などはスキーリゾートとして日本でも有名なウィスラーが会場となりますが、今年は雪不足で周囲の山から雪をかき集めるなど大変なようです。

日本選手団は何故かお家芸とされているノルディックや、不思議と選手層の厚い女子フィギュアスケートの活躍が期待されているところかと思いますが、個人的にはモーグルスキーで近年大活躍の上村愛子にだけ注目しています。選手に無理やり国旗を背負わせているような気がして、もともと私はオリンピックというのが好きではなく、テレビでもほとんど観ないのですが、選手やその周囲の人々にとってはオリンピックの金メダルというのは最高の目標であり、オリンピックの決勝戦は最大の晴舞台でしょうから、その選手を応援したい気持ちというのは持っているつもりです。ただ、「がんばれ、ニッポン」というのは違うかな、ということです。

さて、開幕前に日本のマスコミの餌食になってしまったのがスノーボードの國母和宏選手です。ちょうど朝青龍が退場した直後に格好のネタを提供した形になってしまったのですが、日本選手団の公式スーツを着崩していたことから標的にされてしまいました。私も主観的にはスーツをだらしなく着ているだけで格好良くもなんともない、みっともないからやめた方がいい、とは思いますが、本人なりのセンスというものがあるので仕方ないかな、というところで、そんなくだらないことで個人を槍玉に挙げるマスコミの悪意にうんざりしていました。

國母和宏しかし、まずかったのはその後の対応ですね。記者会見でこれに関して質問された際、「反省してまーす。」と相変わらずの態度であったことと、その直前に「チッ、うっせーな」と呟いていたのがバレてしまったことで余計に反感を買う結果になってしまいました。結局の所、あの着崩しも含め「ガキだから」ということに尽きるのではないかと思いますが、本人にとっては日本代表といっても日本を背負うつもりなど全くなく、「俺様が日本一上手い」くらいにしか思っていないのでしょうから仕方ありませんね。国民の模範になれ、なんて言う方が時代遅れでしょう。

それはともかく、せっかくのスポーツの祭典なのですから、選手には最大限に力を発揮してもらって、最高の技術で魅せてもらいたいものですよね。傍若無人に見える國母選手ですが、今回の騒ぎが演技に全く影響しないとは思えません。良い結果が出せなければまた叩かれるのは目に見えていますから、それも余計なプレッシャーになってしまうでしょう。それに対してマスコミ側は何の責任を取るつもりもないわけですから、いい気なものです。まあ彼らには彼らなりにネタを提供しなければならないというプレッシャーが掛かっているのでしょうが、たぶんそれは大衆が求めているものとは違いますよね…

オリンピックそのものも誘致合戦の政治的駆け引きや、開会式などの式典がショーアップされて商業主義化がどんどん進んでいることなど、スポーツマンシップとはかけ離れたところにあるような気がしていますが、古代ローマの時代から民衆を喜ばせるためのお祭りだったので仕方ありません。そもそもスポーツというもの自体、ストイックなのは競技者本人だけで、観る側にとっては娯楽の一つでしかないのですから、外野がそこで妙な精神論を展開するのも的外れな気がしてなりません。本人たちが納得していればいいじゃないですか。とはいうものの、いくらかでも税金が投入されているとなれば話は別ですかね…