New Zealand行ってみるだけでなく住んでしまいたい。

下手の横好きであちこち出掛けては写真を撮っている私ですが、自分でとった写真を見て自己満足や自己嫌悪したり、写っている知人に配って重宝がられるのが関の山、コンクールに応募するのもおこがましいものです。まああくまで趣味なのでそれでも全く構わないとは思っています。しかしプロの写真家の作品を見ると、同じ「写真」というものであるとは思えない大きな隔たりがあるのを感じてしまいます。単に趣味の延長線上にプロフェッショナルの技術があるとは思えません。

そんなプロの写真家になんてどうしたらなれるのか想像もつかないのに、ましてや単身外国に移って写真家として活動するなんて、私はそんな思い切ったことを考えたこともありませんでしたが、私の友人の兄、大原正也氏がニュージーランドで写真家として活動していて、今週神戸で個展を開くというのを聞いたので行ってきました。

大原氏は私と同い年なのですが、最初は日本でシステムエンジニアをしていたものの、30代初めにニュージーランドへ渡り、それから本格的に写真を始めるようになったのだそうです。現在はオークランドに生活の拠点を置き、度々日本で個展を開いていて、今回が4回目の個展なのだそうです。

基本的なテーマとして「一人でも多くの方に、ニュージーランドのよさ、美しさを知って頂きたい」ということなので、展示されている写真からはまさにその気持ちが伝わってくるのか、私は見ていてニュージーランドに行きたくてたまらなくなってしまいました。澄み切った空気の青い空と青い海、生き生きとした木々の緑と人々ののびのびとした様子が非常に魅力的です。雰囲気的には「天気の良いイギリス」といったような感じでもあり、暮らすにもとても快適なのではないでしょうか。私はニュージーランドには一度も行ったことがありませんが、私が見ている間にニュージーランド出身の人やニュージーランドに留学していたという人も訪れていて、大原氏と喋っているのを横で聞いていても良い印象ばかりでした。

というとなんだかニュージーランドの観光大使のような感じですが、もちろん写真自体もとても素晴らしい作品がありました。私が最も気に入ってしまったのはCape Reingaというニュージーランド北端にある岬の灯台を写したものです。1941年にできたという灯台そのものも魅力的な造形をしているのですが、その灯台を右に配し、灯台へのアプローチとなる道路を左下方向に斜めに流し、さらにその脇には人が二人座っていて、そして上半分は真っ青な空…と構図的にもとても素敵なものです(写真を言葉だけで説明するのも変なものですが)。この灯台には私もぜひ一度行ってみたいものですが、これと同じような写真を撮ることは私にはできないでしょう。

個展は11時からということだったのでちょっと早めに神戸に入って、ぶらぶらしてから11時半頃にギャラリーに行ったのですが、じっくり写真を見させていただいて、コーヒーをいただきながら大原氏といろいろお話したりしているうちに、ギャラリーを出るときにはもう1時になってしまっていました。まさかそんなに時間が経っているとは思わず、とても楽しい時間を過ごすことができました。遅くとも来年にはまた神戸で個展を開くだろうとのことなので、今度は友人の兄ということは抜きにしてもぜひまた見に行きたいと思います。入場無料の個展なのに何も買わず、コーヒーを淹れていただいてポストカードまでいただいてしまい申し訳ないくらいですが…せめて今後のご活躍を応援させていただきます。