白戸次郎転ばぬ先の杖?

携帯電話販売のインセンティブが廃止されたのはいつのことだったでしょうか。それまでは電話機を頻繁に買い換える人に合わせたような料金体系になっていて、何年も同じ電話機を使い続ける人は損をするような形だったのが改められたわけですが、それによって電話機自体の見た目の価格がぐんと跳ね上がることになり、ちょっと思い切らないと買い換えられないようになってしまいました。それでは、ということで出てきたのは「実質◯◯円」というように表示される、ソフトバンクで言えば「スーパーボーナス」なる電話機本体価格の割賦代金の一部をサービス料金から割り引くことで差し引きいくら、というようなシステムです。確かにこのシステムを上手く使えば支払額を抑えることができて良いのですが、月々の総支払額は決して割賦代金を下回らない、というところがミソです。したがって、高価な電話機を購入してしまうと大して必要でもないサービスに申し込んでしまおうということになるわけです。

私の妻がソフトバンクに乗り換えたのは1年少々前のことでしたが、このとき最高機種を購入してしまったためにやはり不要とは分かっていてもいくつかのサービスに申し込んでおくことになりました。そのうちの一つが「あんしん保証パック」という万一の場合の修理代金を補償してくれるというもので、妻には前歴があるだけにまた何かやらかすかもしれない…と思って申し込んでいて、そのまますっかり忘れていたのですが、今回は
これに救われることになりました。

先日の朝、ベッドで寝ているときに折りたたみの妻の電話機が半端に開いた状態で置かれていたので、このまま上に乗ったら壊れるなと思い、そこに挟まっているストラップを解いたのですが、ふと画面を見てみると時既に遅し、液晶が割れて液が漏れてしまっていました。私が気にしたのはヒンジの方だったのですが、付けていたストラップがガラス製の硬いものだったのが災いしたようです。
割れた液晶
その時は「あんしん保証パック」に入っていたことなどすっかり忘れていたので、これで何万円も飛んでいってしまうのかとガックリしつつ、いっそのこと妻に私のiPhone 3GSを譲って私が新しいiPhone 4を使うことにしようかなどと虫のいいことを考えてしまいました。しかしいざソフトバンクショップへ行って調べてもらうと「あんしん保証パック」に入っていることがわかり、ほっと胸を撫で下ろしながらもちょっと残念、という複雑な気持ちでした。まあ、入っていなかったとしたらやはり修理代金は最低でも2万円近くなるのですが、それが無償になるのだから助かります。

しかし、個人情報保護のためという名目で修理の前にデータをすべて初期化する、というのはどうなのでしょうか。これは顧客のためにやっているような言い方をしながら、実は単に自分たちの漏洩リスクを回避するだけなのではないのでしょうか。今回、妻の電話機からはなぜか連絡先以外のデータを取り出すことができず、メールや写真などのデータはすべて失われることになってしまいました。大したデータは無いと言いつつも、それなりに思い出のあるものもあったでしょうから、ちょっと残念でした。

およそ1週間という修理の間は代替機を借りる事になったのですが、同じシャープ製の代替機ではあっても慣れないものは使いにくいらしく、不満たらたらでしたが自分のせいなので仕方ありません。結局修理には2週間かかりましたが、液晶が綺麗な新品になって帰ってきて、しかも無償で済んだのですから万々歳、文句を言う気にもなりませんでした。

今回は「あんしん保証パック」に本当に救われましたが、この手のものはほとんど契約しない私がこれに限って入っていたというのはまさに強運です。こういう事があると次に何か買ったときに迷うことになってしまいそうですが、普通の家電などはそうそう壊れるものではありませんから、もしもの時は運が悪かったと諦めるんでしょうね。ただ、妻が次に携帯電話を買い換えるときはもちろん「あんしん保証パック」が欠かせません。