Frankenmuthドイツといって最初に思いつくものは…ソーセージ?

こちらミシガンには日本人学校がありません。実はあまり知られていないことですが、広大なアメリカにはたくさんの日本人が住んでいるにも関わらず、全日制の日本人学校はニューヨーク、ニュージャージー、そしてシカゴの3か所にしかありません。おそらく、移民の国であり外国人児童生徒への現地のサポートが手厚いこと、せっかくアメリカに来たのだから現地校で英語を学ばせたいという親が多いこと、公共交通機関が充実しておらず通学の手段が限られていること、などなど様々な理由で成立しないのでしょう。その代わり、土曜日に日本語で日本の学習指導要領に沿って補習授業を受けることのできるいわゆる補習校は各地に存在し、私の子供たちも毎週土曜日に嫌々ながら通っています。

補習校は我が家からおよそ25マイル、40kmほど離れているので、朝夕の送り迎えが必要です。これだけ離れていると送ったあとそのまま家に帰るのももったいないので、妻と二人で買い物に行ったりして時間を潰しているのですが、昨日は1時間ほど北に行ったところにあるFrankenmuthという町に行ってきました。この町はドイツからの移民が作ったところで、街の中心部はちょっとしたドイツ村のような雰囲気になっています。

私自身はここに行くのは3回目で、1回目はこちらに来て間もない1月にZehnder’s Snowfestという雪祭りがあったので、雪像を見てきたのでした。この日はちょうど大雪が降ったので、道路にも雪が積もって真っ白になってしまい、納車されたばかりの新車でおっかなびっくり運転していったことばかりが印象に残っていますが、イベント自体もさっぽろ雪まつりほどではないものの個性的な雪像が沢山並んでいて興味深いものでした。

2回目に行ったのはちょうど1ヶ月前に実家の両親が遊びに来ていたので連れて行ったのですが、この時の目玉は「世界最大のクリスマスストア」を謳うBronner’s Christmas Wonderlandでした。ドイツのローテンブルクにも有名なKäthe Wohlfahrtというクリスマスストアがあり、子供の頃ここにも家族で行ったことがありましたが、このBronner’sの広大さはその比ではありません。建物の大きさは7.35エーカー(約9000坪)といいますから、東京ドームの半分よりも広い面積になりますが、そこにクリスマスツリーのオーナメントを中心にクリスマス関係の品々がぎっしり詰まっています。この日は平日だったこともあり店内は閑散としていましたが、その代わりに落ち着いて見ることができたので両親も満足したようです。そのあとはダウンタウンでウィンドウショッピングのあとThe Bavarian Innというホテル兼レストランでドイツ料理を食べて帰って来ました。

そして3回目の昨日は妻にBronner’sを見せるつもりで行ったのですが、クリスマスが近づいてきた土曜日ということで、駐車場はミシガン州のみならずオハイオインディアナイリノイなど近隣各州とカナダ・オンタリオ州のナンバーの車でいっぱい、観光バスも何台も訪れていました。もちろん店内も客でごった返していて、前回とは大違いで活気に満ちていました。実際この店にはそれだけの価値があるような気がします。ここでしか手に入らない物というのは特にないのでしょうが、ここに行けば大抵のものがある、というのは凄いことです。これだけ徹底すれば沢山の人を招き寄せることができるのだということですね。また、店内では無料でオーナメントに名前などをカリグラフィで入れてくれるサービスなどもあり、前回は誰も並んでいなかったこのコーナーにも長い列ができて盛り上がっていました。

そしてこの店に州内外から沢山の客が集まるということは、はるばるやって来てこの店だけで帰ってしまうということはありませんから、周辺の商店にもいくらかの金を落としてくことになり、町の経済に対しても計り知れない貢献をしていることでしょう。片田舎の小さな町ですから、この店がなければわざわざ訪れる人も僅かではないでしょうか。ちなみに9月にはOktoberfestも行われていますが、アルコールのダメな私は残念ながら無関心です。それでもきっとこのBronner’sのお陰でまた訪れてしまうことでしょう。何事も極めることに価値があるということを教えてくれました。