Mammoth Cave National Park見たのはほんの一部だけ。

旅行の2日目は我が家にとって最初のアメリカの国立公園であり、世界遺産にも登録されているMammoth Cave National Parkを訪れました。ここには発見されているものだけで総延長400マイル(約640km)を超えるという巨大な洞窟があり、これは世界最大のものです。日本の秋芳洞が8.5km程度だということですから、その大きさは計り知れないものです。

それだけ大きな洞窟ですから、個人が勝手に歩き回れば迷子になって二度と戻れなくなってしまうことが目に見えており、旅行者は基本的にビジターセンターから出発する見学ツアーに参加して見て回ることになります。ツアーは様々な内容のものが設定されていて、階段の段数や歩く距離などとそれらに応じて設定された難易度が表示されており、一日に何度も開催されているものもあれば決まった時間に一度だけ出発するものなどいろいろあります。空きさえあれば申し込みは当日でも可能ですが、ウェブサイト等で事前に申し込んでおかないと希望のツアーに参加するのは難しいようです。

私たちは今回New Entrance Tourという2時間で難易度中のツアーに参加しました。New Entranceというのは比較的新しく、といっても1920年代に発見された入り口のことで、ここから入って始まるツアーになりますが、この入り口はビジターセンターから数マイル離れているので、ツアー参加者はセンター前のシェルターで事前説明を受けたあと、まずバスに乗って移動することになります。

バスを降りるとすぐに洞窟入り口のドアがあります。ドアをくぐると最初は大人一人が歩ける幅の狭い洞窟になっていますが、最初は水の伝う「湿った洞窟」でした。この部分でも手すりのあるステンレスの通路が整備されていて、非常に歩きやすく安全になっています。ただ、参加者が100人以上にもなる大きなツアーなので、あまり前の人との間隔を開けないよう注意されていたため 自分のペースでゆっくり見ることができないというのはちょっと残念なところです。とはいえ、写真を撮るために立ち止まる程度であれば問題はありません。
Mammoth Cave (Frozen Niagara)
その後しばらく歩くとGrand Central Stationと呼ばれる広い空間に出て、ここにある座席に座ってしばらく解説を聞きました。こうした解説の時間が所々で設けられていて、ちょうどいい休憩の時間にもなっているようです。この辺りからは「乾いた洞窟」になっていて、現在は水の流れはなく安定した状態になっています。日本で洞窟というと地下水が滴る鍾乳洞をイメージすることが多いかと思いますが、ここは多くの場所がこうした乾いた状態でだいぶイメージが違いました。このため、確かにその規模には驚かされますが、鍾乳洞の独特の自然の造形美などはあまり見ることができず、そういう感動を味わうことはできませんでした。

2時間のツアーということで最初は2時間も歩き続けたらしんどいだろうと思っていたのですが、諸々の説明やバスでの移動時間も含めて2時間ということなので、歩く距離も3/4マイルだけなので疲れてしまうということはなく、適度な運動になる程度だったかと思います。大人だけであれば途中洞窟の中で昼食も食べられるGrand Avenueという4時間半のツアーなどもいいのではないでしょうか。合計670段もの階段を登り降りし、延べ4マイルもの距離を歩くことになりますので、それなりの覚悟は必要でしょうが、洞窟を堪能するにはきっとこれが一番でしょう。

なお、私が参考にしたいくつかの日本語のブログではいずれもカメラ以外の荷物を持って行くことができないとされていたのですが、実際には多くの人が普通に鞄を持っていて、そのような注意書きなども目にしませんでした。また、ビジターセンターの隣にあるホテルにカフェがあり比較的低価格で良いのですが、10時半までは朝食メニューしか提供されていないので注意が必要です。11:15からのツアーの前に軽く何か食べておこうと思ったのですが、あいにくパンケーキくらいしか食べられませんでした。しかし実はここで昼食を軽くしていたのが正解でした。
Harland Sanders Café and Museum
このあと私達は次の宿泊地テネシー州ピジョン・フォージという町へ向かったのですが、その途中ケンタッキー州のノース・コービンという小さな町に立ち寄りました。ここには1800人ほどの人が住んでいるだけなのですが、ケンタッキーといえばKFC、そのKFCの礎であるサンダース・カフェをかのColonel Sandersが始めたところなのです。その場所は今Harland Sanders Café and MuseumとしてKFCの店舗と創業当時の様子を知らせる博物館となっています。ちなみに、カーネル(Colonel)というのはケンタッキー州により与えられた称号で、実際のファーストネームはハーランドといいます。

ということで私達はここでフライドチキンを食べることにしていたのですが、実はアメリカに来てからKFCには行ったことがありませんでした。日本にいるとき、ケンタッキーの工場から出張で来た米人が「日本のKFCの方が油っこい」と言っていたのが意外だったのですが、私も実際食べてみると確かにこちらの物の方が味付けも薄くあっさりしているような感じがします。そのためなのか、空腹で臨んだためなのか、非常に美味しくいただくことができて家族全員満足でした。日本のKFCよりも割安でサイドミールも充実していますし、きっとまた食べに行くのではないかと思います。