The Secret Life of Walter Mitty - Ben Stiller as Walter Mitty期待していなかった割に楽しめました。

私は今週、一足早く夏休みをいただいて家族でアメリカ国内の旅行に出かけたのですが、今回は飛行機とレンタカーの組み合わせで移動することにしました。最寄りのデトロイト・メトロポリタン・ウェイン・カウンティ空港デルタ航空ハブ空港であるため、航空会社はもっぱらデルタを利用することになるのですが、そのデルタが旅行直前の8月1日から「飛行時間が1時間半以上の世界の全便で無料のエンターテインメントプログラム『デルタ・スタジオ』を提供する」という発表がありました。配備が整った機内Wi-Fiを使って、スマートフォン、タブレットやPCから機上のメディアサーバに接続し、映画などをストリーミング配信するというシステムですが、もともと国内線の機材では通常エンターテイメントは提供されていなかったので、数時間の退屈しのぎにはもってこいです。航空会社側としても装備への投資を最小限に抑えて大きな費用対効果を得ることができる素晴らしいシステムなのではないでしょうか。

ということで、導入翌日に搭乗した私も早速なにか観てみようと思い、予告を見てちょっと気になってはいたけれども映画館で観るほどではないと思っていた「LIFE!」を観てみることにしました。原題は”The Secret Life of Walter Mitty“といいますが、これは同名の1937年の短編作品の、1947年の作品に次ぐ2度めのリメイクとなっています。
The Secret Life of Walter Mitty - Walter climing Himalaya
もちろんストーリーは現代的なアレンジが加えられていて、主人公Walterの勤務する雑誌「LIFE」の編集部が、ウェブ版への移行のため次号で最終号となる、というところから始まります。Walterは写真のネガの管理を担当していますが、写真家Sean O’Connellに指定されたネガが見つからず、それを探すために旅が始まるというものです。

監督と主演がBen Stillerということで、コメディとしての面白さは一流です。無理に笑わせようとしないのに自然に笑いが起こる感じで、英語が100%理解できなくても楽しめると思います。設定として面白いのは主人公に妄想癖があるところで、その妄想シーンがかなり作りこまれていて、作品に派手さを与えて退屈させません。また、あくまでファンタジーということでかなりありえないことが起こりますが、それはそれとして楽しむべきでしょう。

ということで作品としても楽しむことができましたが、Delta Studio自体もDVD程度の画質ではありましたが画像や音声にノイズが乗るようなことは全くなく、非常に快適に鑑賞することができました。望むべくは現在40タイトル程度であるライブラリの充実で、最新作から名作旧作まで選択肢が広がるということがないのですが、アメリカの国内線でも4時間程度のフライトでは最初から最後まで観ることができるのは1本だけでしょうから、あまり贅沢を言っても仕方がないのかもしれません。