4DX映画の新しい楽しみ方ではあるかも。

「それはアホやろ」というのは長男のセリフですが、昨年末に公開され、記録的な大ヒットとなった映画「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」は私も非常に楽しくて、結局この時書いた通り合計4回も観てしまいました。最初は作品自体を楽しむためにあえて2Dで観て、その翌日に次男を連れて3D、そして年末の帰省で東京に滞在している間に立川シネマシティ名物の極上爆音上映、そして最後は4DXといろいろなタイプで楽しんでみました。

私はこれまで4DXは体験したことがなかったのですが、最初に試すならスター・ウォーズだろうと思っていつ行こうかと思っていたところ、勤務先の友人らが行くというので先日一緒に行かせてもらうことにしたのでした。

4DXというのは3Dの立体映像に加えて座席の上下左右と前後の傾き、水しぶき、風、匂い、スモーク、閃光と様々な感覚で楽しめるというもので、USJにある「シュレック4-Dアドベンチャー」などとよく似たものです。しかしさすがに「シュレック〜」は導入されたのが2003年ということで10年以上経っており、その後の技術の進歩は大きなものです。最も顕著なのは、「シュレック〜」では座席の駆動が空気圧で行われているのか動くたびに「シュッ」と音がするので、連続して動くと「シュッシュッシュッシュッ」とうるさくて、あれでは映画どころではなくなってしまいますが、4DXの動作はとても静かです。微妙な角度変化でゆっくりと動いたりもしていたので、おそらくモーター駆動なのでしょう。

座席の動きは映像にうまく同期させられていてあまり違和感はありませんでしたが、それ以外はおまけのようなもので、なくてもいいと思います。ブラスターを撃った時などは頭の左右、耳のあたりから空気が吹き出てきますが、どうも不自然です。その他のものも、テーマパークのアトラクションであればキャーキャー言って楽しめば良いのでしょうが、映像から浮いてしまっているように感じました。一番問題だと思ったのは風です。画面上で風の吹いているシーンでは実際に風が当てられるのですが、Jakkuの砂漠で熱風が吹いているべき場面で、空調の効いた涼しく心地よい風が吹いてくるのです。これでは意味が全く違うでしょう。

全体的な感想としても、アトラクション感覚では楽しむことができましたが、ストーリーには集中できないのではないかと思いますので、一度普通に観た作品を4DXでも楽しむというのが理想的なのではないでしょうか。とはいえ、価格差1000円に見合う程度の体験はできると思います。USJではたかだか15分程度で終わってしまうものが2時間以上もの長時間続くというのは、そのためのチューニングにかかる手間を考えると大したものです。

なお、私はセリフも役者の演技のうちだと思うのでいつも字幕版で観ていて、「フォースの覚醒」も最初の3回は字幕で観たのですが、4DXのときは公開から1ヶ月以上経って上映回数が減っていたので、残念ながら観ることのできる時間に上映しているのは字幕版のみでした。しかし、さすがに吹き替え声優もプロなのでほとんど違和感もなく、しばらく観ているうちにあまり気にならなくなりました。また、誤訳とされている「あの村の出身」は吹き替えでも同じなのだとわかったのは良かったです。