Voteまさかの展開かもしれませんが。

私もそれほど注目していたわけではないのですが、昨日アメリカでは大統領選挙の投票が行われ、共和党候補のDonald Trump民主党Hillary Clintonを抑えて当選確実となりました。この結果を勤務先で聞いて私も驚きましたが、事実は事実として受け入れるしかありません。

Hillaryは言わずと知れた第42代大統領Bill Clintonの婦人ですが、その後上院議員Obama政権の国務長官を歴任してきたバリバリの政治家です。もしも当選していたら初の女性大統領になるということでも注目されていましたが、これが逆に仇になり、これまで2期続いた黒人大統領に続いて今度は女性、ということを嫌った白人男性の票がTrumpに流れたという話もあります。また、ファースト・レディの時から国政にだいぶ口出ししているように見えたので、女性でも保守的な人にはあまり良く思われていなかったのではないでしょうか。

一方Trumpの方は問題発言があったりもしましたが、アメリカが世界のすべて、強いアメリカこそ正義という人々にとっては耳障りの良いことをいっていたこともあって特に低所得者層の人気が高かったようですね。アメリカ人でも私や他の日本人の友人らと接しているような層の人々でTrump支持の人というのはほとんどいなかったようなので、同じアメリカでもくっきり別れた2つの世界があるような印象です。開票結果を見ても東海岸と西海岸の州ではHillary、中央部ではTrumpと見事に分かれています。

しかし結果が出た今、実はTrumpでもそれほど酷いことにはならないのではないかと私は思っています。実際、勝利演説ではかなりまともなことを言っているようですし、結局のところアメリカという超大国はたった一人の力でそんなに大きく舵を切れるものではなく、政権運営はどれだけ優秀なスタッフを揃えることができるかというところにかかっているはずです。これまで政治家としての経験のないTrumpの能力は未知数かもしれませんが、ビジネスにかけて超一流であることは間違いないわけで、ビジネスマンらしく思い切った経営手腕を発揮してくれるかもしれません。

それにしても、相当な僅差であったというのはかなり健全に思われます。どちらに転んでもおかしくないほど、ほぼ同程度にそれぞれ支持されているというのは、一気に民主党に傾いたり大きく揺り戻したりする日本よりもよほどバランスが取れています。もはや日本人は懲りてしまったかもしれませんが、日本にも本当に政権担当能力のある政党がもう一つあったらと思いますね。