損害賠償がちょっと心配です。
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突然地球規模の停電が起こり、売れないミュージシャンのJack Malikが交通事故に遭って目を覚ますとそこはThe Beatlesのいなかった世界だった、というドラえもんひみつ道具もしもボックス」で「もしもビートルズがいなかったら」と言ったときのような話が、先日観た映画「イエスタデイ」のストーリーです。JackはThe Beatlesの楽曲を思い出して再現しては自分が作ったかのように売り出していき、世界的なスターへの道を歩み始めるのですが、そんな彼にも良心の呵責があって…というような感じです。

本作にはEd Sheeranが本人役で出演したりもしているのですが、主人公Jackを演じているのは先日観た「TENET テネット」にフィクサーとして登場し飛行機を操縦するMahirを演じていたHimesh Patelです。ただ、TENETでは物静かな落ち着いた役だったので本作のJackとはだいぶイメージが違っているのではないでしょうか。なお、本作がAmazon Prime Videoで無料で観られるようになっているのはTENETのプロモーションのためなのでしょうか。

必然的に劇中歌として何曲もThe Beatlesの楽曲が使われているのですが、Jackが覚えていてコピーできるような曲ということで、誰でも聴いたことがあるような名曲の数々が使われることになっています。実はThe Beatlesの曲についてはあまり良く知らない私でもほとんどの曲を知っていたので、ちょっとでも洋楽に関心のある人であればだいたい聴いたことがあるものばかりなのではないでしょうか。しかし、サントラ盤もありますが、やはり聴くならオリジナルの方を聴くべきでしょう。

もちろん本作は完全なファンタジーですが、The Beatlesへの敬意と愛はちゃんと感じられる物語になっていて、結末はちょっとほろ苦いような感じでジーンと来るような話になっています。The Beatlesが好きな人はもちろん、そうでない人は入門編としても楽しめる作品になっているのではないでしょうか。