今年12月2日から、健康保険証は新たに発行されなくなり、最長1年間の猶予をもってマイナンバーカードの保険証利用を基本とする仕組みに移行することになりました。「基本」というのは、マイナンバーカードを取得していないか、健康保険証利用登録を行っていない場合に交付される「資格確認書」を当面の間利用することができることになっているためです。

このいわゆるマイナ保険証への移行についてどうも反対の声があるようでマスコミで取り上げられているのですが、「選べないのは不便」とかいうのが私には理解できません。前述のとおり、マイナンバーカードを取得していなければ資格確認書を使用すればいいし、取得しているならそれを使えばいいだけではないでしょうか。

「個人情報が漏れる」というのも意味不明で、もともと健康保険証も身分証明として使用できたのだからすなわち個人が特定できたわけです。マイナンバーカードに個人情報が詰まっているというのも幻想か妄想で、パスワードを入力しなければそれが漏れることはないはずですし、健康保険証として使用する際のパスワードでは大した個人情報は得られないでしょう。

さらに「メリットをしっかり説明すべき」とも言われているようですが、これは国が中途半端にメリットを説明するから悪いのですが、そういうユーザーにとってのメリットよりもこれまでの健康保険証に問題があるから切り替えなければならないのだ、ときっぱり説明すべきなのだと思います。従来の健康保険証は身分証明書として使えることになっていながら顔写真などもなく、本人確認の機能が一切なかったので悪用し放題でした。それが問題だから切り替えなければならないのだ、ともっとはっきり知らせるべきではないでしょうか。

私自身もマイナンバーカードの使い勝手についてはいろいろ言いたいことがあり、まったく満足しているわけではありませんが、それでも頑なにマイナンバーカードを使うことを拒否する人の考えることは理解できません。行政機関等に情報を一元管理されることがそんなに問題でしょうか。プライバシーに関わるような情報が管理されるとなればそれは問題ですが、そんなものを管理するような仕組みにはなっていないでしょう。

おそらく多くの人は声高に反対を叫んでいる、税金を誤魔化している一部の人に影響されているだけなのではないかと推測しています。マイナンバーというのは一時「国民総背番号制」と言われたものだと思いますが、それによって行政サービスが向上するならいいのでは、というよりマイナンバーがなければいわゆるDXなんて一向に進まないのではないでしょうか。