鉄道の保守工事というのは運行に影響が出ないように深夜の時間帯に行われるのが普通で、しかしそれはそれで大変な仕事だと思っていました。特に私は子供の頃に線路沿いのマンションに住んでいたことがあって自分の部屋が線路に面した部屋だったため、夜中に保線工事のために煌々と照らされた線路上でマルチプルタイタンパーなどのマシンを中心にたくさんの人が働いているのを見ていて、幼心にとても心象的でした。
しかし、やはり昨今の労働人口の減少の影響などでこうした作業の人員確保も困難になってきているということで、JR西日本から「昼間時間帯集中保守工事に伴う列車の運転休止について(2025年度)」というリリースが出され、関西の各路線で日中9時頃から15時頃までの時間帯に列車を運休して保守工事を実施すると発表されました。2025年度の対象は関西本線、山陰本線、舞鶴線、和歌山線、播但線、草津線の6路線で、当然ながらそれぞれ時期をずらして実施されます。
対象は比較的輸送量の少ないいわゆるローカル線が中心なのだと思いますが、それでも6時間ほどにわたって運休するというのは地域に与える影響もそれなりにあるのではないでしょうか。人手不足なので致し方ないということなのでしょうが、日本もそんなところまで来てしまっているのかと、少々感じるものがあります。
深夜に多くの人々を駆り出すということでいうと、道路工事などでも深夜に行われるものがあると思いますが、それは主に都市部の話なのでしょうか。都市部であれば人材の確保も比較的容易ではあると思うので、まだそこには影響はないのかもしれません。さすがに東京の都心部で日中に幹線道路を封鎖して工事なんていうことをしたら大渋滞で大変なことになりそうですから、そこまで来たら日本もいよいよ、ということですかね。